トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 「SDGs」がとつぜんテレビで目立つようになった理由

「SDGs」がとつぜんテレビで目立つようになった理由を探る!「それで誰が得をするのか?」

「ノリつつシラケる」で国益を守って

――とはいえ、SDGsのフレームワークはそれなりにいいことも言っていて、全否定は難しいのではないでしょうか。

 そりゃそうですよ。実際、ウイグル問題などは、SDGs的な盾がないことには、中国を厳しく牽制することはできないのですから。

 その一方で、地球全体のことより、まずはやはり自国の国益ベースでものを考えることを忘れてはいけないと思いますね。

 脱炭素なんかもそうですが、アメリカも中国もヨーロッパも、自国に都合のよいロジックでせめぎ合っているのに、日本だけ理想論できれいごとのSDGsを真に受けていると国益を損ねます。

 でも、そういう「欧米では」みたいなことを言う、軽薄な企業経営者や政治家が人気を集めるんですよねえ、悲しいことに。ですから私たち市民も企業も、流されることなく「シラケつつノリ、ノリつつシラケる」のスタンスを堅持し…。

――浅田彰の「構造と力」の一節ですか。

 世代がバレますね(笑)。まあそういう感じで、SDGsを人気取りのために利用してもいいけど、基本的に冷静というか冷ややかに見ておくくらいでよくて、国益に資する部分はうまく取り込んで利用していく、というアプローチを、新しく総理大臣になる方にも堅持して欲しいよな、と願っています。

鴨川ひばり(ライター、編集者)

1967年生まれ。出版社、ネットメディアなどで編集者を歴任。現在はフリーランスで活動中。

Twitter:@hujiie

かもがわひばり

最終更新:2021/09/12 12:11
123
ページ上部へ戻る

配給映画