ジリ貧日本を救うか? 大学の大型研究が増加中 東大、京大、阪大などで研究費も増額
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民間企業から大学への受入額が1000万円を超える大型共同研究の2019年度の件数が、前年度比17.6%増加し1451件に上ったことが、9月2日に文部科学省、経済産業省、日本経済団体連合会が公表した「産学官共同研究におけるマッチング促進のための大学ファクトブック」で明らかになった。
政府は、「2025年までに大学・研究開発法人等に対する企業の投資額を2014年の3倍にする」目標を掲げている。「大学ファクトブック」は大学の取り組み状況や産業界との提携実績などのデータを比較可能な“見える化”することで、産業界と大学 の連携を一段と促進することを目指したもの。
企業からの受入額が1000万円を超える大学の大型共同研究は、2013年度の600件から2019年度には1451件にまで増加している。(表1)
大学の研究に占める大型共同研究は、件数では約5.1%と割合は小さく、1件当たりの受入額も277万円だが、大型共同研究が受入額に占める割合は約51.9%と、額でみると全体の半分近くを占め、大学における共同研究の受入額への影響が大きい。
項目別の大学ランキングでは、民間企業との共同研究費受入額で10億円以上の受入額があったのは13校で、1位の東京大学は100億円近い99.6億円の受入額だった。2位は大阪大学の92.1億円、3位は京都大学の55.4億円。東京大学は2018年度に1位だった大阪大学を逆転して1位となった。上位10校は以下のようになっている。
民間企業との共同研究費受入額1000万円以上の実施件数が100件以上だったのは、1位の東京大学の227件、2位大阪大学の154件、3位京都大学の123件、4位東北大学の110件の4校だった。
民間企業との共同研究費受入額1000万円以上の研究費受入額では、1位が大阪大学の77.5億円、2位東京大学66.9億円、3位京都大学37.5億円だった。
共同研究費受入額、共同研究費受入額1000万円以上の実施件数、間企業との共同研究費受入額1000万円以上の研究費受入額とも東京大学、大阪大学、京都大学の上位3校となっている。
だが、民間企業との共同研究に伴う1件当たりの研究費受入額では、1位聖マリアンナ医科大学が1340万円、2位藤田医科大学899万円、3位順天堂大学661万円と医学系学部のある大学が上位を占めている。上位10校は以下のようになっている。
民間企業との共同研究に伴う研究者1人当たりの研究費受入額では、1位の東京工業大学が215万円、2位豊橋技術科学大学209万円、3位大阪大学187万円と工業系の大学が上位を占めている。
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