BLACKPINK、BTS……K-POPとビッグメゾンの蜜月
#音楽 #K-POP
――世界的に人気のBLACKPINKのメンバー4人は、それぞれ名だたるハイブランドの“グローバル・アンバサダー”を務める。また、BTSも今春、ルイ・ヴィトンのアンバサダーに選ばれた。かようにK-POPアイドルとビッグメゾンが手を組む事例が増えているが、双方にどんなメリットや思惑があるのか――。(「月刊サイゾー」2021年7.8月合併号 【裏“ヒットソング” 】特集より転載)
ビッグメゾン(ハイブランド)がこぞってK-POPアイドルをアンバサダー[註:ブランドと長期契約を結び、イベントやキャンペーンなどを通じてその魅力を伝え広めるイメージキャラクター]に起用している。その代表格は、2016年にデビューし、今や世界に数多くのファンを抱える4人組女性グループのBLACKPINKだ。メンバーのジェニーがシャネル、ジスがディオール、ロゼがサンローランおよびティファニーのグローバル・アンバサダーを務めているほか、リサは特に際立つ美貌と4カ国語が堪能という語学力を強みにセリーヌ、ブルガリ、M・A・Cと契約している。
“アンバサダー”といっても、主にローカル向けに各国の人気者を起用することはよくあること。日本ではルイ・ヴィトンのアンバサダーを高畑充希や広瀬すずが務めたこともあった。
そんな「アジア人はローカル限定」という“お約束”を最初に崩したのが、男性グループBIGBANGのG-DRAGONだった。14年頃から当時シャネルのデザイナーを務めていた故カール・ラガーフェルドと親交を深め、欧米のファッション業界で一目置かれる存在となった。そして、16年からはシャネルのハウス・アンバサダーを務めている。
13~17年に「NYLON JAPAN」副編集長を務めた後、BIGBANGやBLACKPINKを要する大手芸能事務所YGエンターテインメント(以下、YG)のクリエイティブ・ディテクターを経て、同社から独立したクリエイティブ・プラットフォームAXISの取締役を務める深田芳李氏は、このように話す。
「私が『NYLON JAPAN』にいた頃、G-DRAGONに関しては『どんなアイテムとでも組み合わせ自由、彼の好きなようにしていい』とシャネルのグローバル・チームは各国のセクションに伝達していたんです。日本人でそんな例は聞いたことがありません」
しかし、当時はフランスのメゾンの“顔”がアジア人になったことに対して、人種差別的な議論が巻き起こったことも事実である。かつて欧州のハイブランドは自国の女優を起用することが当たり前だったからだ。
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