もう中学生に感嘆する藤岡弘、「やっぱお笑いって深いんだねぇ」 めくるめくバラエティトークの世界
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ダイアン・津田「すぐ干されますよ、俺みたいなヤツは!」
面白かったトークの2つ目は、2日の『やすとものいたって真剣です』(朝日放送)から。海原やすよ・ともこがMCを務める関西ローカルのトーク番組だけれど、この日のゲストはロンドンブーツ1号2号の田村淳だった。なお、アシスタント的な役割で、ダイアンの津田篤宏もゲスト出演していた。
紹介したいのは、ヤラセをめぐる一連のトークだ。淳が語り始めたのは、地震で石垣が崩れた熊本城のロケでの出来事。城好きで知られる淳は、番組ディレクターに「石垣が崩れてるのどう思います?」と聞かれ、次のように答えたのだという。
「石工っていわれる石の大工さんが、ものすごい精密に番号振って(石垣を)組み立ててるさまを僕は見たんで、『安心しました。この石工さんがいれば熊本城はきっと復活するはずです』ってコメントしたんですよ」
するとディレクターは、「そういう一面もありますけど、でも石垣がこうやって落ちてるから、何か思うところないですか? 悲しくなったりとかしませんか?」と、違うコメントを求めてきたらしい。これに淳は「僕、ちゃんとしたコメントしてんのに、悲しいって方向に持っていきたいのはあなたが答えありきでディレクションしてるからであって、僕はそこに与するとヤラセだと思うんでやりたくないです」と応じたのだという。
この淳の話に、海原やすよ・ともこの2人が同調する。自分たちも同じようなスタンスで番組に出演してきた。画面に自分が映る限りは、ウソをつきたくないからだ。しかし、スタッフ側の指示にすぐに「うん」と同調してしまう出演者が多いため、自分たちのようなスタンスの人間が「変な人」「めんどくさい人」と思われてしまう――。やすともの熱を帯びた反応に、淳のトークも熱さを増していた。
そんな2組のトークに、ダイアン・津田が割って入る。
「いや、これはでもね、僕ら弱い立場の人間からしたら。やっぱり立場ある人やったら……」
これに2組は反論。立場は関係ないこと、自分たちは若いころからそういったスタンスで番組に関わってきたなどを語り始める。「辞めたくないって思うから怖くなるんじゃないの?」(ともこ)といった先輩たちの指摘に、津田は「……なるほど」と、徐々に言葉を失っていく。
が、津田の消沈を挟んでトークは転調。番組側から求められるコメントを発する津田を、「それは津田の優しさでもあるけど、やりたくないこともやってしまう」(淳)、「大人なんかもしれんね」(ともこ)などと評価する流れになる。そんな“温情”めいた声をかけられた津田は、爆発した。
「おふたりの話聞いたら、そっちのほうが断然かっこええやないか! 俺めちゃくちゃダサいやつみたいになってるよ! どうするんですか、おふたりのいうこと聞いて、来週ぐらいから全然テレビ出えへんようになったら! すぐ干されますよ、俺みたいなヤツは!」
ウソをつかない淳のスタンスが語られる序盤。それにやすともが同調しトークが加熱していく中盤。そんな2組のやりとりに、津田が「弱い立場」からの視点を加え、トークが立体化していく。そして、津田の咆哮でオチ。3組のトークの見事なリレーが面白かった。
そして、もちろんトーク中に誰かから一方的で明確な指示が出されているわけではないし、なによりひとまず出演者全員にとって“おいしい”形になっているからいいのだろうけれど、2組が途中から目配せするようにパスしていき、津田がキレイにゴールを決めるという展開は、外から見た形が、淳の批判する「答えありきのディレクション」に近いようにも思えて、そのあたりの線引きの難しさ、そういうトークの内容と形式の入れ子状態も、なんだか面白かった。
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