もう中学生に感嘆する藤岡弘、「やっぱお笑いって深いんだねぇ」 めくるめくバラエティトークの世界
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テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(8月29日~9月4日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。
藤岡弘、「やっぱお笑いって深いんだねぇ」
気づけばテレビでトークを見ている。いわゆる「トーク番組」以外の番組でも、その中心におかれているのはしばしば出演者たちのトークだ。
トークの多さは、制作費の少なさやコロナ禍のロケの難しさなども理由かもしれない。番宣の俳優が出演しやすいからかもしれない。芸人の“芸談”に対する視聴者の興味の高まりもあるのかもしれない。理由はいろいろあるのだろうけれど、とにかく気づけばテレビでトークを見ている。
そんな先週のテレビのトークのなかから、面白かったものを3つピックアップしたい。
芸人の賞レース番組では、ネタだけでなくネタ後の審査員とのトークがしばしば注目される。一昨年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)のニューヨークのように、ネタ終わりのトークが話題になり、いまのブレイクにつながっていると思われるケースもある。決勝に進出した芸人が、ネタだけでなくトークも周到に準備しているという話もよく聞く。
そんななか、3日の『千鳥の芸人C-1グランプリ』(テレビ朝日系)で新たな「グランプリ」が放送されていた。題して「ツボ難しい-1グランプリ」。藤岡弘、、安藤優子、長州力といった笑いのツボがわかりにくい審査員に、芸人たちのネタを審査してもらう企画だ。
そんな企画のネタ終わりのトークがスゴかった。ここでは、もう中学生と審査員たちのトークを紹介したい。
もう中学生が披露したネタは「天守閣ゲーム」。彼のネタを知っている人ならおなじみの、ダンボールで作った背景にダンボールで作ったアイテムをかざして、それに合わせて観客の発声を求めるコール&レスポンス系のネタだ(って、どんな系統のネタだ)。最初、声を出すのは安藤だけだったが、徐々に藤岡もレスポンスし始めた。
ネタを見終わった安藤は自分が彼のネタになぜ笑ってしまったのかを解説。これに、もう中も応答した。
安藤「(声を出すことに)まずすごい抵抗があったんですけど、やったらやたらおかしくなっちゃって。笑いってこういうことなんですね」
もう中学生「安藤さんのおっしゃるとおり、笑いとは天守閣ゲームなんだと思います」
安藤「全然違うと思う」
安藤のコメントを受ける形で、藤岡も、もう中のネタを講評した。
藤岡「安藤さんのいうように抵抗があってね。入り込んであげなきゃいけないのかなと思いながら言ってたんだけど、決してノッて言ってたわけじゃないんだけど、引き込まれてしまったっていうかな。なんかね、急にそれがおかしくなってきたってとこがあってね」
もう中学生「おっしゃってくださるとおり、コーヒーのブラックとかのように、どんどんどんどん引き込む。最初の一口目から二口目、三口目いくと、あれ? さっきとまた違う表情してるなって気持ちを自分でも伝えたかったんで」
藤岡弘「なるほど。コーヒーの深さと同じでさ。やっぱお笑いって深いんだねぇ」
もう中学生のネタの面白さを、自分の内面の揺れを描写し解説する安藤のさすがなコメントから始まったトークは、「笑いとは?」的な抽象的な話に飛躍。もう中の独自理論を挟み、笑いの深みを感じ取る藤岡の感嘆で終わった。一連のトークの末に藤岡が勝手に浅瀬に深みを感じて溺れてしまう感じが面白かった。
というか、もう中学生のコメント、藤岡のコーヒー好きをふまえてのものと思われる。その淹れ方は独特。独自の「珈琲道」を唱え、オリジナルのコーヒー豆も販売している。そんなコーヒー愛に訴えかけるコメントだっただけに、藤岡は浅瀬で溺れたのだ。なるほど、やはり賞レースのトークには周到な準備が必要だ。
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