藤崎マーケット「リズムネタは劇薬。乱用してはいけない」リストアップされたテツandトモ、波田陽区、コウメ太夫ほか多数の「中毒者」たち
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TikTokで7億回再生のEverybody「リズムネタは危ないと言わないでほしい」
このオンエア回でもっともおもしろかった分析が、リズムネタ普及の黒幕が岡村であるという説だ。藤崎マーケットは近年、リズムネタでブレークした芸人としてブルゾンちえみ、ひょっこりはん、夢屋まさる、Everybodyの名前を挙げ、「とんでもないことに気がついた」と身を震わせた。いずれも『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)のコーナー「おもしろ荘へいらっしゃい!」で話題になった芸人ばかりなのだ。
岡村は確かに、リズムネタを好む傾向がある。彼は若手時代、ダンスとお笑いを融合させたユニット「吉本印天然素材」でも活動。ブレイクダンスを得意としていることから、『めちゃ2イケてるっ!』(フジテレビ系)でダンス&ボーカルグループ・EXILEの公演にシークレットで登場し、歌い踊って喝采を浴びた。音楽を絡めた笑いで得られる高揚と快楽を知る芸人のひとりなのである。
『過ぎるTV』には、「おもしろ荘」への出演をきっかけに、TikTokでネタがバズったEverybodyもゲストで登場。リズム芸人たちのピーク時の月収について「藤崎マーケット、レギュラー、ともに月320万円」と聞いて仰天。TikTokで7億回再生を記録しながら、現在もバイトで生計を立てているというEverybodyは「売れている実感がない」と心境を吐露。
一方で、タクトOK!!は「養成所のころから漫才、コントをやってもうまくいかなかった。12年間、リズムネタしかやっていない。僕はもう35歳だから何かを残さないといけない。一発屋であっても、売れるなら売れたいんです」と、リズムネタでやっていく覚悟が決まっているという。
なるみは、Everybodyの熱い思いを聞いて「藤崎が自分たちのところへ引きずり込もうとしているだけじゃないの?」と疑問を呈し、岡村も「たけしさんも、一発でも売れるだけすごいと言っていた」と大物の言葉を引用。ふたりの追い風を受けてEverybodyは「藤崎さん、レギュラーさんはリズムネタのレジェンド。そんな人たちが『リズムネタは危ない』と言わないでほしい。それって『スパイダーマンが今から負けます』と言っているようなもの」と絶妙な例えで返してみせた。
今回の『過ぎるTV』は、リズムネタ芸人の実体験、2000年代以降の歴史、現状、批評性、そして今後の展望がすべて詰まっていて、このジャンルを語るにおいては非常に重要な内容だった。そしてリズムネタへの安易なイメージを変化させるものでもあった。『過ぎるTV』はTver、Huluなどでも見逃し配信をおこなっているので、ぜひ鑑賞してほしい。
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