藤崎マーケット「リズムネタは劇薬。乱用してはいけない」リストアップされたテツandトモ、波田陽区、コウメ太夫ほか多数の「中毒者」たち
#お笑い #藤崎マーケット #関西バラエティ番組事件簿
全国で人気のタレントを多数輩出し、またローカル番組らしい味わいがクセになる、関西制作のテレビ番組に注目する連載「関西バラエティ番組事件簿」。
今回取り上げるのは、朝日放送の『なるみ・岡村の過ぎるTV』(毎週月曜日放送)。2013年10月よりレギュラー放送されている同番組は、ナインティナイン・岡村隆史、なるみが司会をつとめ、「○○過ぎるヒト、モノ」にクローズアップする番組だ。
同番組の人気企画は何と言っても「長谷コレ」。お笑いコンビ・ティーアップの長谷川宏(通称・長谷兄)が「オシャレ過ぎる」として、なんばグランド花月の関係者ロビーにカメラを設置し、彼が楽屋入りする際のファッションをこっそりチェックするというもの。
時にはアグレッシブに、時にはスウィーティーに決める長谷兄のファッションは、観る者を釘付けにする。長谷兄が着こなすブランドのなかでも定番は、ヒステリックグラマー。「長谷コレ」のオンエア時には、ヒステリックグラマーがツイッターでトレンド入りするほどだ。テンダラー・浜本扮する実況・DJハマーの着眼点とワードセンスも相まって、長谷兄は「ファッションモンスター」の異名をとるまでに。2021年8月には長谷兄がアーティスティックディレクターに着任し、「HASE2」というブランドまで立ち上げた。いずれも番組の効果があってのものだろう。
藤崎マーケットが警笛「リズムネタ撲滅運動」
そんな『過ぎるTV』で9月6日、興味深いテーマがオンエアされた。藤崎マーケットが持ち込んだ企画「リズムネタ撲滅運動」だ。
ラララライ体操でブレークした同コンビ。しかしリズムネタはインパクトが強い反面、一発屋として認知されることが多く、それ以外の持ちネタの印象が薄らいでしまうことから、藤崎マーケットは「リズムネタは劇薬。乱用してはいけない。後遺症に苦しんでしまう」と持論を説いた。
トキは、リズムネタの危険性をまとめた冊子を自費制作し、リズムネタ芸人たちに配り回っているという。
そしてリズムネタで人気となった芸人を「中毒者」とし、テツandトモ、波田陽区、コウメ太夫、大西ライオン、ムーディ勝山、小島よしお、ジョイマン、2700、8.6秒バズーカ、バンビーノ、永野をリストアップ。トキは変わらず深刻そうな表情で彼らを紹介した……が、ちょっと待ってほしい。みんな、意外と生き残っているのではないか?
テツandトモは営業で大人気だし、波田陽区は福岡に拠点を移して奮闘中。コウメ太夫はスベり芸的な立ち位置や、番組の空気を破壊する役回りで重宝されている。小島よしおはインテリ芸人としても活躍。ジョイマンは8月12日の『水曜日のダウンタウン』(TBS)で「突然ネタに関するアドバイスをしてきた老紳士が後日テレビ局の取締役として収録現場に現れたら急ピッチで言われた通りにネタ修正しちゃう説」の標的となった際、自分たちのラップネタを貫いたことで視聴者の好感を得た。
番組には、あるある探検隊で一世を風靡した、レギュラーがゲストで登場。2002年『ABCお笑い新人グランプリ』(朝日放送)では、ブラックマヨネーズ、麒麟らを撃破して最優秀新人賞に輝くなど実力派コンビとして将来を嘱望された。だが、業界人気が高い年末恒例の番組『オールザッツ漫才』(毎日放送)で爪痕を残すために披露したあるある探検隊が、正統派しゃべくり漫才師だったふたりの運命を変える結果に。
レギュラーは、しゃべくりではなく、あるある探検隊ばかり待ち望まれた当時について「漫才をやったら、期待はずれに思われるようになった」と苦しみを振り返った。ただレギュラーは現在、レクリエーション介護士の資格を取得し、高齢者施設などでお年寄り向けのあるある体操などをおこなっている。「ぼっとん便所に人落ちる」といったネタは、数十年前の日本を知る人たちに大ウケだという。
レギュラーはこの日の『過ぎるTV』が「久しぶりのテレビ」と言っていたが、お笑いはいろんな場所でできるし、何より、さまざまな人が「笑うこと」を求めている。現在のふたりの活動はまさに、そう感じさせるものだった。
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