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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 菅義偉首相の電撃辞任と“二階の逆襲”

菅義偉首相の電撃辞任「もうメチャクチャだ。最近の菅さんは怖い」の真意と“二階の逆襲”

菅首相の肝いり“デジタル庁”の行方

 文春に、菅首相のタニマチの韓国人実業家が、「駐日本国大韓民国大使館 大使首席政策顧問」という“ニセ名刺”を使っていたという話がある。

 平井卓也デジタル相がNTTから高額な接待を受けていた問題などを調査するチームを立ち上げ、責任を慶応大学の神成淳司教授に押し付けたとも報じているが、菅首相が退陣すれば、菅の取り巻きや、菅の肝いりのデジタル庁もどうなるか分からない。首を洗って待っているがいい。

 菅政権が続いていれば、この文春の記事が1位候補だったが、残念ながら動きが早すぎて、週刊誌では追いつかなかった。

 文春で描かれているのは、「再選」という妄執に取り憑かれた哀れな男の物語である。

 菅首相の迷走が止まらない。いち早く総裁選出馬を表明し、二階幹事長もこれを支持したまでは、菅の思惑通りだった。

 だが、岸田文雄元政調会長が出馬を表明して、会見で「総裁を除く党役員は1期1年、連続3期までとし、権力の集中と、惰性を防いでいきたい」と語ったことで、菅の戦略に大きな狂いが生じた。

 5年近くにわたって幹事長ポストに座り続け、「最高権力者」といわれる二階に対して、公然と「オレが首相になったら即刻クビだ」と宣言したのだ。

 政界きってのイケメンでダンディだが、「超つまらない男」と揶揄される男が、ここまで腹をくくって二階にケンカを売ったことで、菅だけではなく永田町全体に衝撃が走ったのである。

 菅を支えてくれる唯一の存在である二階の去就が総裁選の争点になった。あわてた菅は8月30日に二階を官邸に呼び出し、首を言い渡したのである。

 人事は総裁選が終わって、選ばれた新総裁がやるべきものである。菅の周辺も、「人事を今やるべきではない」と反対したが、耳を貸さなかった。

 文春で二階派の山本拓衆院議員が、「このタイミングで、選挙の責任者の二階さんを切るってことですから、これまで支えてきましたが、二階派はもう半分が『反菅』です」と話している。

 だが、菅首相の暴走はこれでは終わらなかった。8月31日夜、毎日新聞が「首相、9月中旬解散意向」と報じたのだ。内閣改造の後に解散して、総裁選はその後に延ばすというのである。

 要は、総裁選は敗色濃厚だから、一か八か解散・総選挙に打って出るというのだ。

「もうメチャクチャだ。最近の菅さんは怖い。もう何をするか分からないんだよ」(自民党幹部=文春)

 党内から猛烈な反対の声が上がり、翌日、菅は「今の厳しい状況では解散はできない」といわざるを得なくなってしまった。

 だが、何としてでも再選をしたいという「個利個略」で周囲が見えなくなっている菅は、9月解散、総裁選先送りを諦めていないと見る向きが多い。

 野田聖子か石破茂を幹事長に据えて、電撃解散に打って出るのではないかと、文春で首相周辺の人間が語っている。

 この男にとって、もともとコロナや経済対策などどうでもよかったのだ。戦後最大の国難といわれるコロナ禍の中で、安倍、菅という首相をシャッポに戴いた日本は世界一不幸な国だと思わざるを得ない。

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