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日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 『関ジャム』ラブソング特集=宇多田とドリカム?

『関ジャム』「ラブソング特集」とは即ち、宇多田とドリカムだった。悲恋を綴る女性ミュージシャンの歌詞世界

10代で「First Love」を作った宇多田ヒカルは最強!

 たくさんのラブソングが登場したが、結局、今回は宇多田とドリカムだった。それぞれ、2つの曲が紹介されている。

・宇多田ヒカル「Be My Last」
・宇多田ヒカル「First Love」
・DREAMS COME TRUE「大阪LOVER」
・DREAMS COME TRUE「やさしいキスをして」

 ラブソングといえば、やはり強いのはドリカムだ。恋愛をしていなくても、聴くと恋愛した気分になるからすごい。特に、注目したいのは「やさしいキスをして」。選者である草野は、この曲について以下のように語っている。

「結ばれない恋の代表作として人気の楽曲です。『“この曲好き”って言う女、幸せになれへんやろうなあ』と思いながら、私も好きなんですけど(笑)」

 草野が言うように、これは結ばれない恋の歌。例えば、こんな歌詞がある。

「報われなくても 結ばれなくても あなたは ただ一人の 運命の人」
「今日という一日が終わるときに そばにいられたら 明日なんていらない」

 はっきり言ってしまえば、道ならぬ恋(不倫?)の歌なのだ。作詞したのは、もちろん吉田美和。実は、吉田の1度目の結婚のお相手は映像ディレクターの末田健で、2人が出会ったときに末田は既婚者だった、という経緯がある。2004年、2人は籍を入れない形の事実婚を発表。そして、2007年に末田は胚細胞腫瘍で他界した。吉田はよくメンタルが壊れなかったと思う。

 そして、やっぱり宇多田ヒカルだ。16歳の時点で「First Love」を作った彼女は最強。とても10代が書いた歌詞とは思えないし、(当時の)日本人が作りそうなメロディでもない。宇多田が日本のR&Bを確立し、Jポップの流行を終焉させた感さえある。

 宇多田の歌詞を分析する草野の解説が、またわかりやすかった。例に出したのは「SAKURAドロップス」のエンディングだ。

「恋をして 終わりを告げ 誓うことは:今日が最初のgood day」

 こんな前向きなことを言っておきながら、同曲は「好きで好きでどうしようもない それとこれとは関係無い」という歌詞のリフレインで締めくくられる。

「自分でgood dayって言うたものの、『好きで好きでどうしようもない それとこれとは関係無い』って言い続けて終わるんですよ。全然……(苦笑)」(草野)

 なるほど、そこまで考えて歌詞を読んでいなかった。おもしろい。鬼龍院の「煙草」と比較すると、男性アーティストのほうがストレートに歌詞を書く傾向にあるか? もちろん、両者にはそれぞれの良さがある。

 意外だったのは、ラブソング特集なのにaikoの曲が選ばれなかったことだ。絶対、来ると思っていたが。「カブトムシ」がリリースされたのは、もう22年も前なのか……。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2021/09/05 21:00
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