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アンジェリーナ・ジョリーが暗殺者と山火事から子どもを守る映画『モンタナの目撃者』が圧倒的に面白い

アンジェリーナ・ジョリーが暗殺者と山火事から子どもを守る映画『モンタナの目撃者』が圧倒的に面白いの画像1
© 2021Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

 2021年9月3日より、映画『モンタナの目撃者』が公開される。本作は細かいことは抜きにして、とにかく以下の2大トピックがツボだという方に全力でおすすめしたい。

「アンジェリーナ・ジョリーが命を狙われる少年を守るために戦う」
「暗殺者コンビ&山火事がWで襲ってくる」

 これらを期待したら期待以上のものが観られる、ハラハラドキドキのサバイバルサスペンスを求める方には大満足できる内容だったのだ。さらに詳しく魅力を記していこう。

サスペンスの面白さが詰まった内容

 あらすじを簡潔に紹介しよう。森林消防隊員のハンナはある日、森にひとりでいた少年コナーと出会う。実は少年は暗殺者コンビに父親を殺され、彼もまた追われる身となっていたのだ。ハンナはコナーを守り抜くことを決意するが、2人の行く手には暗殺者コンビだけでなく、大規模な山火事が立ちはだかる……。

 序盤から「暗殺者コンビの容赦のなさ」が明確に示されており、少年の逃避行はとてつもない緊張感に満ち満ちている。観客は彼の無事を心から見守る立場となり、その父が殺されてしまってから命からがら逃れ、頼りになる大人と会えたことに心から安堵する。だが、それでも刻一刻と暗殺者コンビは彼女たちの元へと近づいていき、同時に火災という人間よりもさらに制御不能な事象も襲い来る。

 背後には凄腕の暗殺者コンビ、目前には燃え盛る巨大な炎。この2つの脅威からどう逃げて、そして少年を守り抜くのか? このアイデアがまず秀逸であるし、それ以降も多種多様な展開で楽しませてくれる。途中で暗殺者コンビと遭遇する警察官とその妻も意外な方向に話を転がしていき、時には「判断を一手間違えた方が死ぬ」一触即発のバトルも展開する。シンプルかつ奇抜な設定を持ってして、サスペンスの面白さが詰まった内容だったのだ。

アンジェリーナ・ジョリーがトラウマを抱える役に

 本作の目玉は、やはりアンジェリーナ・ジョリー(以下、アンジー)が主演であること。世間的には『トゥームレイダー』(2001)や『Mr.&Mrs. スミス』(2005)といったハリウッド大作映画のアクション女優という印象が強いと思うのだが、姿を消した息子への再会を願う母を演じた『チェンジリング』(2008)のように、憔悴しきってしまうものの、その精神的な強さを力強く示す役柄も上手い、表情ひとつで豊かな感情を表現できる方であると思うのだ。

 今回のアンジーは「スマート」や 「完璧」といった、いかにもアクション映画のスターという印象を完全に封印し、とあるトラウマと罪悪感を抱えた女性に扮している。表向きは仲間から一目置かれる森林消防隊員として毅然とふるまっているが、その心の傷が簡単には拭い去れていない辛さが、やはり表情の端々から伝わってくる。

 また、アンジーは実生活で6人の子どもを育てる母親だが、劇中では少年に不器用ながらも接しようとするキャラクターとなっている。劇中の2人の関係性は、母性によるものというよりも、歳の離れた友だちのようにも見える。初めこそお互いに不信感を抱く彼女たちがどのように信頼関係も育むのか、というドラマも見所となっていた。

 アンジーはサバイバル能力に長けたキャラクターを演じるにあたって、木を切り火をおこす方法から教わったそう。しかも、安全ワイヤーを使いながらも撮影のために建築した18メートルの監視塔から飛び降りるアクションも披露しているし、暗殺者コンビとも真っ向から戦うことになる。アンジーの女優としての演技力やキャラクターの説得力はもちろん、「ここぞ」という時のアクション要素を期待しても裏切られることはないだろう。

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