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BE:FIRST・ジュノンの過去のグループも、発足直後に解散? 韓国で乱立するオーディション番組の裏側

BE:FIRST・ジュノンの過去のグループも、発足直後に解散? 韓国で乱立するオーディション番組の裏側の画像1
SKY-HI(写真/Getty Imagesより)

 韓国JYPエンターテインメントのグローバルオーディションから生まれた女性アイドルグループ・NiziUや、SKY-HIプロデュースのボーイズグループオーディション「THE FIRST」からデビューしたBE:FIRSTが高い人気を誇るなかで、日本ではオーディション番組の再ブームが到来しつつある。

 昨今のオーディション番組では、選考方法やアドバイス、落ちたメンバーへのケアなど、プロデューサーのパーソナリティやアーティストとしてのこだわりも話題に。次世代アーティストを育てるための審査基準&プロセスにも注目が集まっている。

 ところで、隣国・韓国では10年ほど前からオーディション番組のブームが始まっている。最近では、NiziUのプロデューサーであるJY Parkと江南スタイルで有名なPSYが選抜する「LOUD」や、日中韓の合作で行われる女性アイドルグループオーディション番組「GIRLS PLANET999」などが人気で、日本でも割と高い認知度を誇っている。

 ただ現在、韓国ではこれ以外にもオーディション番組が、5番組ほど同時に放送されていることはあまり知られていていない。

 そのすべてがKーPOPアイドルをデビューさせるものではないものの、ブームはやや行き過ぎの様相となり、一部では問題視する声があがっているのだ。韓国国内では「オーディション番組の洪水」、「この狭い国土でオーディション番組がなぜこれほど多いのか」などと、揶揄する声が絶えない。過去には10番組ほどが同時に放送されていたこともあった。韓国ではあるビジネスが流行ると、模倣することであれよあれよと同じような店が立ち並ぶことが珍しくないが、オーディション番組にも同じ傾向がはっきりと見て取れる。

 スターがたくさん生まれることは良いことだ。ただその弊害も少なくない。韓国の芸能事情に詳しい現地記者R氏は言う。

「韓国では個人のプライバシー侵害や、過度な商業主義、ヤラセなどがオーディション番組の問題点として挙げられています。そもそも、そんなに多くオーディション番組をやって本当に優れたアーティストがみつかるのかというもっともな意見も多い。ただでさえ芸能界で成功するタレントは少ないのに、オーディション番組が乱立しているせいでさらに道が狭まっている。関係者たちは自分たちの首を絞めている状況です」

 日本とも無関係ではないのが、そんな乱立するオーディション番組に参加する日本のアーティスト志望の若者が徐々に増えているということだ。韓国のアイドルグループは、デビューから間もなく解散するということが珍しくない。

 BE:FIRSTの人気メンバー・ジュノンが過去に所属していたと噂されるK-POPグループも、発足直後に解散しているとしてファンたちの間では密かに話題となっている。たとえオーディション番組を経たからといって必ず成功する訳ではなく、猫も杓子もオーディション番組の世の中では使い捨てにされる可能性すらある。

 前途ある日本の若者がK-POPの吸引力に引き込まれ、乱立する韓国のオーディション番組で才能も摩耗しないためにも、日本に力のあるオーディション番組が増えることが望ましいのかもしれない。

河 鐘基(ジャーナリスト)

リサーチャー&記者として、中国やアジア各国の大学教育・就職事情などをメディアで発信。中国有名大学と日本の大学間の新しい留学制度の設置などに業務として取り組む。「ロボティア」「BeautyTech.jp」「Forbes JAPAN」など、多数のメディアで執筆中。著書に「ドローンの衝撃 」(扶桑社新書) 「AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則」 (扶桑社新書)、共著に「ヤバいLINE 日本人が知らない不都合な真実」 (光文社新書)など。

Twitter:@Roboteer_Tokyo

はじょんぎ

最終更新:2021/09/17 13:32
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