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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 放送22年目『科捜研の女』が愛され続ける理由
パンドラシネマ番外地

『科捜研の女 劇場版』で未知なる細菌との闘い!放送22年目を迎える沢口靖子主演作の味わい

マリコ(沢口靖子)は天才科学者・加賀美(佐々木蔵之介)と対決する。

 科捜研の女vs.マッドサイエンティスト。テレビシリーズに続いて、沢口靖子が法医学研究員を演じる『科捜研の女 劇場版』(9月3日公開)は、シリーズ史上最強の敵となる天才科学者役の佐々木蔵之介と対決するスリリングな内容となっている。長年のファンだけでなく、テレビシリーズを観ていない人でも充分に楽しめる明快なミステリー作品だ。

 東映京都撮影所で制作されているテレビシリーズ『科捜研の女』(テレビ朝日系)は、1999年10月に放送スタートし、現行のテレビドラマで最長寿となる大ロングランシリーズ。「科学は嘘をつかない」をモットーとする京都府警科学捜査研究所の鑑定技術職員・榊マリコ(沢口靖子)は、迷宮入りしそうな難事件でも見逃されがちな些細な遺留品を糸口に、真相を解き明かしていく。

 基本的にテレビシリーズは1話完結のエピソードがほとんどのため、シリーズ途中からでも視聴でき、平日午後の再放送までついつい見てしまうという在宅ワーカーも多いのではないだろうか。マリコとは「仕事仲間以上、恋人未満」な関係の土門刑事(内藤剛志)、スイーツをお土産に科捜研に現れる解剖医の風丘(若村麻由美)ら、レギュラーメンバーとのおなじみの展開は劇場版にもしっかりと盛り込まれている。悲惨な殺人事件を扱い、専門用語が飛び交う科捜研だが、マリコの周囲にはのほほんとした空気が漂う。そんな心地よさがこのシリーズの魅力でもある。

 普段から、科捜研を飛び出しての越権行為が目立っていたマリコだが、劇場版では土門刑事との過剰捜査が警察上層部から責められることに。さらには、連続殺人鬼の魔手がマリコにも及ぶ。まさにシリーズ最大のピンチが、マリコに襲いかかる。

 マリコが劇場版で挑むのは、リモート殺人という巧妙なトリック。京都市内で大学教授や准教授が次々と建物から飛び降りて亡くなるという怪事件が発生。現場検証の結果、加害者らしき人間はいなかったことから自殺として片付けられそうになる。だが、マリコは亡くなった人たちが飛び降りる直前に「助けて!」と叫んでいたこと、どちらもウイルスや細菌学の研究をしていたことが気になり、引き続き鑑定を行う。はたして、人間を遠隔操作して死に至らしめることは可能なのか?

 土門刑事らの調べで、亡くなった2人は東京にいる微生物学教授・加賀美(佐々木蔵之介)の研究室を訪ねていたことが分かる。加賀美は腸内細菌の一種である「ダイエット菌」の研究をしており、このダイエット菌を活用すれば、人類は肥満から解放され、さまざまな疾患やコンプレックスをなくすことができるという。加賀美の周囲は彼を崇拝する研究員たちが取り巻き、まるで科学を盲信するカルト教団のようである。未知なる細菌、リモート犯罪、科学者にとってのモラル……、そんな現代的なモチーフが劇場版には取り入れられている。

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