菅義偉首相の側近が群がった横浜カジノ利権の闇と横浜市長選”不信任”
#週刊誌スクープ大賞
“瞬殺”された小此木八郎と菅義偉たちのカジノ利権
さて、2人の困った息子のお話。
菅の最側近、林幹雄幹事長代理は引退して長男の千葉県議、幹人(47)に譲りたいと考えているそうだ。だがこのボンボン、妻子がいるのにスナックを経営する女性との不倫がやめられない。後援会幹部が探偵事務所に調査を依頼したら、不倫の現場写真が続々でてきたという。
そこで幹部は林に、「幹人に任せるなんて言ったら選挙出来ねぇぞ。危ねぇぞ」と、世襲に大反対したというのだ。やはりバカ息子は隣の火事より恐い。
二階俊博幹事長が自公幹部ら5人で会食していたのは8月17日の昼だった。世論の批判を浴びたが、その二階の次男・直哉(49)もその日の夜、銀座の会員制クラブで深夜まで酒を呑んでいたと、文春が報じている。彼は現在、コンサルタント会社を経営しているそうだから、いち民間人かというとそうではないらしい。
3人の兄弟の中で一番政治向きだと二階が目をかけていて、二階が経産相の時、直哉を大臣秘書官に抜擢したことがあったという。二階が主催した大訪中団にも同行していたそうだ。
息子は政治家にはならないと文春に答えているが、オヤジは「緊急事態宣言の中、極めて不適切な行為」だと文春に回答している。この親にしてこの息子あり。
今週の第1位は菅首相についての文春と新潮の記事。とくに文春が丁寧な取材で抜きん出ている。
平気で嘘をつける人間というのがいる。菅首相はその典型である。8月25日の会見で、ワクチン接種率が向上してきているから、「明かりははっきりと見え始めている」と宣ったのである。
何か別のことをいっているのではないかと耳を疑った。コロナ感染は日本中に広がり続け、菅は次々に緊急事態宣言を出さざるを得なくなっているのに、どこに明かりがあるというのか。世論に追い詰められて幻覚でも見たか。一国のリーダーが世迷言をいうようになったらお終いだ。
8月22日に投開票された横浜市長選は、締め切られるとすぐにNHKが「立憲民主党の山中竹春氏当確」と報じ、菅が強く推した小此木八郎は「瞬殺」されたのである。
私は、有権者が小此木と、その後ろにいる菅の悪だくみに気付いた結果だと考えている。現市長の林文子はカジノIR構想推進派だが、市民の多くはIRに反対している。
そこで菅は一計を案じた。盟友の小此木に大臣を辞めさせ、IR反対を掲げて出馬させる。当選したら林市長同様、賛成派に寝返ればいいと考えたのに違いない。
IR反対の小此木を菅が事務所ぐるみで応援したことで、市長選が国政選挙に格上げされ、菅政治が有権者によって「不信任」の烙印を押されたのである。
今週の文春は、菅の側近といわれる林文子市長、平原敏英副市長、菅のタニマチといわれる在日韓国人でパチンコ経営者の河本善鎬(よしたか)の3人が、カジノIRに参入したい中国系の企業集団RXIグループ(仮名)から料亭で高額な接待を受け、どのようなやり取りをしていたのかを詳細に記してある裁判資料を入手したという。
河本がRXIの日本法人幹部に声をかけて始まったそうだが、コンサルタント契約を巡ってトラブルになり、簡易裁判所で民事調停になった際のものだそうだ。
そこで平原は、「これが本格的に動き出せば、せめて一本ぐらいはオヤジにもっていかんといかんでしょうね」といった。このオヤジは菅のことで、一本は1000万円だそうだ。
別の日には、ゼネコンを仕切るには「確実に政治的に頼れるのはやっぱり菅さん。お願いするしかないだろう」(やはり菅と親しい元公明党の石井睦美横浜市議)。さらに先の平原から、ホテルを建設する場合は容積率を緩和するという「機密情報」の説明も受けていたというのである。
この話が成功して、カジノが造られれば、菅の側近たちに莫大な「利権」が転がり込むのだろうが、市との契約条件が折り合わずRXIは撤退した。
だが、職務権限のある現役の副市長が接待を受けていたとなれば「単純収賄」に該当し、機密情報を流していたということになれば「加重収賄」になる可能性があると、落合洋司弁護士が指摘している。
カジノ反対を訴えて当選した山中市長は、こうした菅や側近たちが蠢いたカジノ利権の闇を明るみに出す責任がある。(文中敬称略)
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