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一貫性のない新聞――朝日新聞、凋落の理由
朝日新聞批判は食傷気味だが、やはり、コロナ感染拡大が止まらず、その上酷暑の中で東京五輪を開くのはやめろといっていたのに、始まれば、日本選手が金メダルをいくつ取ったと手放しで報じる姿勢に、「いい加減にしろよ」と思った人は多いはずだ。
週刊現代がその点をしつこく追及している。
「8月12日の朝刊1面には、<31都道府県『感染爆発』>という見出しが躍り、〈全国的な感染拡大に歯止めがかからない状態〉と伝えている。
また、翌13日の朝刊1面も<東京 感染『制御不能』と煽り、翌19日朝刊1面でも〈『感染爆発』40都道府県に 国内感染最多 9割超デルタ株>と、コロナ一色の報道が続く。
だがその一方で、予定通り開催されたのが、夏の甲子園、全国高校野球選手権大会である。
周知の通り、朝日新聞はその主催者である。感染拡大を紙面で連日のように訴えながら、甲子園大会について、朝日が中止論を展開することはなかった。
<2年ぶり 頂点目指す夏 感染防止策を講じ開幕>(8月11日付朝刊)
そんな見出しで高らかに開幕を宣言した甲子園だが、新型コロナウィルス感染により、宮崎商業高校(宮崎)と東北学院高校(宮城)が、途中で出場を辞退している(8月24日現在)。
やはり、どれだけ防止策を講じても感染者が出ることは防げなかったのだ」(現代)
元朝日新聞記者でジャーナリストの飯島浩がこう語っている。
「コロナ禍の中であえて開催するのなら、社長が自ら記者会見し、高校野球の意義を国民に向かって訴え、『しっかり対策して高校球児の晴れ舞台を用意したい。これが主催者の社会的責務だ』と理解を求めるべきだった。
自らの決意や覚悟を示すことなく、ただ批判をかわそうとする姑息な姿勢が、朝日新聞から読者が離れていく最大の原因でしょう」
それが証拠に部数はどんどん落ちている。
「かつて国内トップの権威を誇った朝日新聞は、’09年まで800万部を超える販売部数だったが、最近では494万7000部(朝刊)。今年3月期決算では、1879年の創業以来最大の441億円という巨額の赤字を計上した。
『実売部数は300万部台後半になったと社内では言われています。7月1日から、27年ぶりに月ぎめ購読料を約400円値上げしたことも、部数減に拍車をかけるでしょう』(朝日新聞中堅幹部)」
いうこととやっていることが違うのでは、ジャーナリズムとはいえない。ジャーナリストの岩瀬達哉はこういっている。
「一貫性のない新聞は、読者から信頼されないと思います。朝日がジャーナリズムを謳うのであれば、もう一度基本に立ち返り、『新聞倫理綱領』を読み直してほしい。そこには『論評は世におもねらず、所信を貫くべきである』と書かれている。何が社としての所信で、貫くべきものなのか、今こそ反省してみてはどうでしょうか」
朝日も凡百の新聞と同じになったってことだ。
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