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ムロツヨシが『ハコヅメ』の秘密を握る? ドラマ版「伊賀崎」に任された重要な役どころとは

ムロツヨシが『ハコヅメ』の秘密を握る? ドラマ版「伊賀崎」に任された重要な役どころとはの画像
『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』公式サイトより

 日本テレビ系水曜ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』の原作アレンジが秀逸だ。

 原作は、漫画雑誌「モーニング」(講談社)で連載中の『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』。基本的に十数ページで1話完結のスタイルを取っているため、ドラマに仕立てるにあたって複数の話が組み合わされている。

 たとえば先週放送した第6話。交通事故で乳児が死亡する衝撃的なエピソードは、原作コミックス4巻の「その27 トラウマ」のものだが、事故を目の当たりにした川合(永野芽郁)が気持ちを立て直すきっかけとなる「ルールを守ること」の意味を小学生に話すエピソードは、原作の記念すべき第1話「その1 アンボックス」を翻案したものだ。いずれも『ハコヅメ』を代表する印象的なストーリーであり、それらを上手く繋げた展開に原作ファンは胸を熱くさせていた。ちなみに、毎話放送後にはドラマの元になった話が漫画配信サイト「コミックDAYS」で無料公開されている。

 登場人物に関しても、原作そのままではなく、アレンジが加えられている。その主たる人物が、川合と藤(戸田恵梨香)が勤務する町山交番の所長・伊賀崎秀一(ムロツヨシ)だ。性格は原作通り、上司でありながら仕事はラクをしたいと公言する、どこかひょうひょうとして気の抜けたキャラクターだが、ドラマが進むにつれ原作のさまざまな要素を兼ね備えてきた。

 たとえば、ドラマ5話の会話の中で子だくさんであることが明かされた伊賀崎。第4子の誕生を控えて「今度こそは立ち会いを」と意気込むが、この設定は原作では、牧高(西野七瀬)のペアである那須というドラマに登場しないキャラクターのものだ。また6話のラストシーンでは伊賀崎に、物語の鍵を握る藤の同期・桜(徳永えり)と町山交番で働いていた過去があったことが分かった。しかしこれも原作とは異なる。登場人物が多いため、人間関係を複雑にせずシンプルにまとめているのだろう。

 次第に真相に迫ってきている桜とのエピソードは、原作準拠であればかなり重たいエピソードになる。“本来の人物”が伊賀崎に代わることでストーリーも多少軽めにまとめられることになるのかもしれない、という予想もされる。しかし『ハコヅメ』はコミカルとシリアスのギャップが売りのひとつでもある。その変更が吉と出るか凶と出るかはひとつの見どころだろう。

 8月25日に放送された第6話の世帯平均視聴率は11.1%(関東地区・ ビデオリサーチ調べ)と、2桁台を維持する好調ぶりを見せる『ハコヅメ』。ただ、2週間分の特別編をはさんだ上に、藤の過去についてのエピソードはまだ明かされず、さらに毎話ごとに小出しにされる“匂わせ”はそろそろしつこい。やや引き延ばしすぎな印象も出てきたので、原作のサバサバとした爽快感が損なわれないようにこれからもがんばってほしいものだ。

■番組情報
水曜ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』
日本テレビ系毎週水曜22時~
出演:戸田恵梨香、永野芽郁、三浦翔平、山田裕貴、西野七瀬、平山祐介、千原せいじ、渕野右登、ムロツヨシ ほか
主題歌:milet「Ordinary days」(Sony Music Labels)
音楽:井筒昭雄
脚本:根本ノンジ
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:藤森真実、田上リサ(AX-ON)
協力プロデューサー:大平太
演出:南雲聖一、丸谷俊平、伊藤彰記
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/hakozume/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/09/01 19:00
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