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日刊サイゾー トップ > 社会  > SNSで“成功”した女性とメディアの大問題

『バッド・インフルエンサー』SNSと“虚言癖”の相乗効果で成功した女性と、メディアの大問題

ネット社会だからこそ“SNSの闇”を暴くことができた

 度が過ぎた承認欲求と健康商法とSNSの相乗効果によって起こった事件、問題を抱える個人がSNSの力でトリックスターになった事例と言える。カフェや電車で聞こえてくる他者の与太話は信じないくせに、ネットに載ると簡単に信じる者が続出するのがSNSの持つ不思議な力だ。だから、フォロワー数の多さで信憑性を判断するのではなく、読み取る力が必要になってくる。

 ただ、一方でこんな見方もできる。拡散した情報の虚飾を暴くのも、結局はネット社会なのだ。活字とマスメディアだけの時代だったら、ベルのような存在はまかり通った。“SNSの闇”そのものの彼女だが、古くからのテレビの手法を使っただけとも言えた。嘘をつきやく、そして暴かれやすいのが現代ということ。ネットがあるから詐欺商法は通じないという事実を証明したケースでもあるのだ。

 ベルの元フォロワーだった人たちは現在、栄養士や健康関連ライター、パーソナルトレーナーの職に就いている。感化され、失敗し、教訓にして人生を新たに切り開いたのだ。糧にした者にとっては、“人生の勉強”と呼ぶにふさわしい有益な経験かもしれない。ただ、他の元信者たちは今どのように生きているのだろう? そこが1番気になった。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2021/08/26 13:00
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