「メンタリズムやらせ疑惑」から見えた、ニセ能力者・経歴詐称者とテレビ業界の“共犯関係”
#テレビ #DaiGo
ロンドンブーツ1号2号の田村淳が、ネット配信動画でメンタリストDaiGoの“メンタリズム”についての“やらせ疑惑”を暴露するも、その後、謝罪することとなった。
淳は8月19日、YouTubeチャンネル『ロンブーチャンネル』でのライブ配信で、ホームレスや生活保護受給者に対して差別的な発言をしたDaiGoに言及。問題となっている発言について「支持できない」としたうえで、DaiGoの“心を読み解くパフォーマンス”のテレビ収録時に「マネジャーらしき人がDaiGoに合図を送っていた」と暴露したのだ。
その後、同21日のライブ配信で淳は「確証がないのに、そのことについて触れたことは良くない」として謝罪するに至っている。
「淳さんは『確証がない』と話していますが、まあそうだよな、という反応が大半ですよ」
と話すのは、バラエティー番組関係者だ。DaiGoのように“心理を読むパフォーマンス”は、
いわゆる霊視や超能力などと同様に、テレビ界ではしばしば問題視されることも多いという。
「DaiGoさんの話ということではなく、あくまで一般論ですが、“心理を読むパフォーマンス”の多くは、手品のようにタネがあり、それを知った上でオファーしている番組スタッフも多い。にもかかわらず、番組上であたかも“特殊な能力”があるかのように取り上げることについては、スタッフ間でも『これはよくないのでは』と話し合われることも多いです。霊視や超能力、占いなどもそうですが、不確かなものを“真実”として発信することは、視聴者を欺くことにもつながっていく。制作サイドは、この点をもっとしっかり考えていかなければならないと思います」(同)
“タネ”があるとわかっているのに、それをスルーして番組で紹介されるのは、メンタリスト、霊媒師、占い師だけではないという。
「たとえば、実態のよくわからないセレブやヒルズ族みたいな人がバラエティー番組に出てくることがありますが、実際にはセレブでも大金持ちでもない人も少なくありません。さらには、大金持ちであることをキャラにして、金儲け術の怪しげな情報商材を売っている人までいます。テレビでそういった人々を華々しく取り上げることは、詐欺まがいの商売の片棒を担いでいることにもなるんですよね。スタッフも、そういう事実を知っているのに、知らないふりしてテレビに出すわけですから、そりゃあ問題アリだと言わざるを得ませんよ」(同)
偽りの能力、偽りの経歴で金儲けをする人々が、世間からの批判にさらされることもある。
「かつてはショーンKさんが、学歴を詐称していたことが発覚し、出演番組をすべて降板し、内定していたニュース番組のMCからも降りたことがありました。嘘をついているという意味では、怪しげな能力者も同じこと。テレビ局もそこをもっとしっかり理解する必要があるし、ただおもしろそう、話題になりそうというだけで簡単に食いつかず、特殊な能力や経歴がある人物については、ちゃんと身辺調査をするしかないと思いますね」(同)
実際に、心霊番組や超能力番組はほとんどなくなっており、怪しげな能力がテレビの電波に乗る機会は減った。そして、その代わりに“心理を読むパフォーマンス”や偽セレブが登場したという形なのかもしれない。いずれにせよ、視聴者を欺くことのない番組制作が求められるのは間違いない。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事