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中田翔の移籍でまたファン離れが進行? 巨人で再び加速する“外様軍団化”

中田翔の移籍でまたファン離れが進行? 巨人で再び加速する外様軍団化の画像1
北海道日本ハムファイターズ公式サイトより

 同僚を殴って無期限の出社停止処分を受けたら、誰もが憧れる業界最大手の企業から引き抜かれました──この1カ月の中田翔を手短にまとめれば、このような表現になろうか。中田はさっそく22日のDeNA戦でホームランを放ち、実力の片鱗を見せつけたが、“勝つためなら何でもアリ”という姿勢がどんな結果を招くかということまで、原監督の思いは及んでいるのだろうか。

 中田が後輩選手に暴力を振るったのが8月4日。球団から出場停止処分を受けたのが11日。巨人への移籍が決まったのが20日。翌21日に代打で登場すると、22日には先発出場を果たし、上述の通りホームランを放った。

「納得いかない野球ファンは多いでしょうが、ルール上は何も問題はありません。日本ハムが課した出場停止処分は“無期限”ですから、10日足らずで解除しても問題はなく、巨人への無償トレードも両球団の合意で決まったこと。巨人とすれば、獲得した選手を使わない理由は無い。

 原監督は中田獲得に際し、『まだ32歳で、才能ある野球人である』『もう一度チャンスを与えるべき』と述べました。どこの馬の骨とも分からない選手が不祥事を起こせば即クビですが、才能や実績がある人間なら、もう1度チャンスを与えるということです。一般常識では受け入れられない考え方でしょうが、実力勝負の世界ではOKということです」(週刊誌運動部記者)

 ただ、中田の移籍によって、巨人には新たな懸念事項が生まれた。巨人のスタメンには丸佳浩、中島裕之、ウィーラーと、他チームから獲得した選手が多く名を連ねていたが、ここに中田も加わると、いよいよ“外様軍団”の様相を呈してくる。これは巨人にとって喜ばしくない傾向だとフリーの野球ライターは指摘する。

「巨人は長らく12球団でダントツの人気を誇り、調査期間が行っている人気調査では、1980年代で野球ファンの5割、2000年の段階でも4割が巨人ファン。しかし2000年代半ばからこれがみるみる下がり、2011年には一気に2割程度まで急降下しました。

 この間は、2007年から2009年まで3連覇するなど、成績は悪くありませんでしたが、クリーンアップに清原和博、ペタジーニ、ローズ、小久保裕紀、イ・スンヨプ、小笠原道大、ラミレスなど、他球団出身の大砲が並び、物議を醸した時期。球団は“勝てばファンはついてくる”と考えているようですが、現実は違うということです。

 巨人はここ1~2年、せっかく岡本和真という自前の大砲が育ったのに、なぜわざわざヨソからいわくつきの大砲を取ったのか……。目先の勝利と引き換えに多くのファンを失うことにも繋がりかねません」(野球ライター)

 中田は金髪を黒に染めるとヒゲも剃り落とし、ジャラジャラと付けていたネックレスも封印。医療従事者に300万円の寄付をすると、球場には長嶋茂雄氏が駆けつけるなど、盛んにイメージアップ作戦が行われているが、それでは済まないのか、はたまた“活躍すればすべてチャラ”なのか、後半戦の新たな見どころになりそうだ。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2021/08/24 22:00
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