元BIGBANGのV.Iに厳しい判決で控訴予定も、覆るのは難しい? 「性の商品化」に対する韓国国民の目
#BIGBANG #V.I
外国人投資家への売春斡旋、日本円にして約2億円におよぶ海外遠征賭博など、暴行教唆、横領など9つの嫌疑にかけられていた人気K-POPグループ・BIGBANGの元メンバー・V.I(スンリ)が、8月中旬に、軍事法院(地上作戦司令部・普通軍事法院)から懲役3年の判決および約1億5000万円の追徴課税の支払いを言い渡された。
この判決を受けV.Iは法廷でそのまま拘束された。本人はこの判決に不服を表明。法定代理人側は「控訴の計画がある」と韓国メディアの取材に応えている。
軍事法院は軍人や、兵役中の国民など軍人に準ずる身分の者が犯したすべての刑事事件を担当する裁判所だ。軍内部に有毒な飲食物を供給するなど一部の特殊な民間の事件や、韓国軍が管理する捕虜に関わることなどの裁判も軍事法院が担当する。
スンリは現在、兵役中のため、一般の裁判所ではなく軍事法院で裁判を受けることになった。
なお、韓国の一般の裁判所も軍事法院も三審制だ。一般の裁判所の場合、地方法院(1審)、高等法院(2審)、大法院(3審)の順序で裁判が行われる。対して軍事法院は普通軍事法院(1審)、高等軍事法院(2審)の順で控訴・審理が行われ、3審は一般的な裁判と同様に大法院で行われるシステムとなっている。
スンリの場合、控訴が棄却されなければ、高等軍事法院、そして最終的に大法院にて裁判が行われるという流れになる。
ただ、控訴が順調に進み判決が本質的に覆るかは非常に疑わしい。1審では判決理由が次のように述べられている。
「被告は共犯者と共謀し、外国人投資家に数回にわたって売春をあっせんし利益を得た。(中略)性を商品化し、風俗を乱した被告の犯行による社会的な害悪は少なくない(中略)大衆の注目を浴びる芸能人の賭博は、韓国社会の健全な勤労意識を阻害するなど波及効果が大きい(中略)バーニングサン社の資産を株主の私有財産のように使った点、
気分が悪いという理由で暴行を教唆した点なども罪質および犯情が良くない」
ここ数年、韓国においては「n番部屋事件」(秘密チャットルームを通じて、未成年を含む一般女性たちの性的動画が高額で流布・販売されたデジタル性犯罪)などが社会的な大問題となり、「性の商品化」に対する国民の批判の目は厳しい。
影響力を持つ芸能人のスキャンダルや事件も、“袋だたき”に合うケースが増えている。韓国の検察としては、忖度のない妥当な判決はもとより、国民のこのふたつの関心ごとや複数の罪状が重なるV.Iを絶対に刑務所に送り、“大捕り物”として手柄にしたいと考えているはずだ。実際に、裁判の経過を報じた報道では、V.I側に不利に流れているとの見方は趨勢だ。
K-POPシーンをけん引してきた大物アーティストが、誰もがうらやむ青年実業家からの刑務所行きというドラマのような転落劇を演じるのか。その結論はそれほど遠くない時期で明らかになりそうだ。
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