『家、ついて行ってイイですか?』自分をフった女性がいきなり婚約者になった、記憶喪失の男性と2度のプロポーズ
#テレビ #家、ついて行ってイイですか?
8月18日放送『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)は、「2021年夏!ナゼ?激変した人生SP」と題した3時間半の拡大版。単純計算すると通常放送の3.5倍の尺だ。どれだけ家について行くのか?
プロポーズした記憶がまったくない
2015年4月、新宿のおひとり様専用カラオケボックスで番組スタッフが声をかけたのは28歳の女性。水樹奈々の曲を熱唱していた彼女に「家、ついて行ってイイですか?」と尋ねると、「同棲している人に確認をとってから……」という返答が。結果、同棲相手の男性からもOKが出た。スタッフは彼女の家について行くことにした。
女性の名前はくみこさんで、職業は事務職。男性との同棲期間は3年半だそうだ。彼は優しい人だという。
「(彼氏の)職場で事故があって。(彼が)階段から落ちるというのがありまして、そのときに(彼の)記憶がなくなってしまって……。(それまで)1年間同棲してたんですけど、まだ友だちっていう状態の記憶しかなかったんです」(くみこさん)
衝撃の告白である。少し覚悟しながらくみこさんの自宅に到着し、玄関を開けると、彼女と同い年だという佳則さんが出迎えてくれた。見たところ、元気そうだ。自分が何者かわからないとか、日本語を忘れてしまったとか、そういうレベルの記憶喪失ではないらしい。現在はアルバイトをしながら声優を目指しているとのこと。仕事内容はカードゲームの販売と買取だ。
――そのお仕事は何年くらいやってるんですか?
佳則 「え~っと、何年でいいんだろうか……? 自分の記憶で言えば2年ちょっとぐらいなんですけど、(記憶が)飛んでる期間を合わせたらたぶん3~4年くらい」
2人の出会いは声優の養成所。佳則さんのほうが好きになり、告白するも玉砕。なのにその後、付き合ってもいないのに佳則さんはくみこさんにプロポーズをした。そして、2人は交際をスタートする。
「プロポーズしたと? そんな記憶はないんですけど、私は」(佳則さん)
交際を始めた2人には、たくさんの思い出の品がある。テーブルの上には2人で撮った写真が飾ってあった。
「これを撮った記憶はないですね」(佳則さん)
階段から転落し、記憶の一部をなくした佳則さん。しかし彼からすると、周囲の状況がいきなり一変したようにしか思えなかった。
「自分の視点から言うと、告白してフラれて1週間ぐらいしか経ってないのにもかかわらず『親と婚約者が来てるよ』って言われて。(くみこさんが)入ってきた瞬間『誰だ、お前!』って言ってやろうと思ったら『知ってる人だ……』『1週間前にフラれたよ、俺?』と思って。『この状況はなんだ?』って」(佳則さん)
わりと興奮するシチュエーションである……なんて言っていられない。2人は婚約者同士になったのに、佳則さんの中でくみこさんとはまだ交際も始まっていなかったのだ。
ちなみに2人の自宅の間取りは2DKで、家賃は10万円。冷蔵庫を見ると、食材をコスト計算した表が貼ってある。繰り返すが、佳則さんの中でくみこさんとはまだ交際がスタートしていない。関係性がリセットされた状況なのに、佳則さんを毎日看病し、夢を追う彼を献身的に支え続けるくみこさん。他の男性との出会いを求めても、誰も責めなかったはずである。なかなかできることじゃない。
「思い出がなくなっても根本の性格とかそういう部分が変わらなかったので、もう1度思い出を作っていけばいいかなって思えるようになったのがきっかけで、ずっと一緒にいようかなって思いました」(くみこさん)
この取材が行われたのは、かれこれ6年4カ月前だ。そして今回、番組は“その後”を確認すべく追加取材を行った。現在、2人はどんな生活を送っているのか? 6年前と同じマンションを訪問すると、垢抜けてより一層美人になったくみこさんがスタッフを出迎えてくれた。そして、奥の部屋では佳則さんがパソコンに向かって仕事をしていた。現在の彼の職業は、テストエンジニアの正社員。いわゆるデバッガーだ。正社員になってから、もう2年経つという。
「やっぱり結婚となったら最低限、生活費プラス貯蓄だったりとかはしていかないと」(佳則さん)
4年前、2人はすでに結婚していた。佳則さんがくみこさんに、2度目の“突然のプロポーズ”を行ったのだ。と言っても、彼からすれば初めてのプロポーズなのだけれど。家庭を持つから佳則さんは正社員になった。記憶を失っていようが、生活を前に進める能力までは失われていなかったのだ。
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