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変わりゆくジャニーズのブランディング 王道アイドル路線より、濡れ場や端役の方がオイシイ?

変わりゆくジャニーズのブランディング 王道アイドル路線より、濡れ場や端役の方がオイシイ?の画像1
『ただ離婚しないだけ』(テレビ東京系)『痴情の接吻』(テレビ朝日系)

 ジャニーズ事務所の名誉会長だった藤島メリー泰子氏が8月14日、肺炎のため93歳で亡くなった。弟である故ジャニー喜多川氏とともに、ジャニーズ事務所を日本一の男性アイドル事務所に育て上げたカリスマがこの世を去ったことで、ジャニーズ事務所には大きな変化の波が訪れそうだ。

「かつては、ジャニーズ事務所のタレントといえば“絶対的なアイドル”として特別扱いされていました。それはやはり、ジャニーさんとメリーさんのブランディングが成功したがゆえのこと。でも近年では、ライバルとなる男性俳優も増え、ジャニーズのブランドが通用しなくなってきているのが、現状です。2人のカリスマ経営者が亡くなったことで、ジャニーズの方向性も大きく変わっていくでしょう」(芸能事務所関係者)

 すでに、ジャニーズ事務所の所属タレントたちの仕事の傾向は変わりつつある。

「たとえば、A.B.C.-Zの橋本良亮は『痴情の接吻』(テレビ朝日系)というドラマに主演していますが、そこでは濡れ場を数多く演じています。アイドル、それもジャニーズという括りでは考えられないような体当たり演技ですよ。あと、Kis-My-Ft2の北山宏光も『ただ離婚しないだけ』(テレビ東京系)で、不倫夫を演じていますが、この役もまた、爽やかなアイドルとはかけ離れている。かつてのジャニーズであれば、おそらく避けていたであろう役柄ですよ」(ドラマ関係者)

 もはや、ジャニーズ事務所は“アイドル事務所”というわけではないのだろうか。

「現状、本当に“アイドルらしい仕事”をしているのはジャニーズJr.内ユニットばかり。デビュー組ではKing & Princeくらいですね。SixTONESやSnow Manのメンバーも際どい役どころを割り当てられていますし、決して特別扱いはされていませんよ」(同)

 たしかに、SixTONESの田中樹は、テレビ東京系ドラマ『うきわ -友達以上、不倫未満-』に出演中だが、主人公(門脇麦)の隣人(森山直太朗)の妻(西田尚美)の不倫相手という、6番手の役柄だ。

「ジャニーズはたくさんの固定ファンがいるものの、ジャニーズタレントそのものの数が多く、事務所内での競争も激しいんですよね。だから、仕事を選んでいる余裕なんてないですよ。不倫をする役だろうが、濡れ場ばかりであろうが、どんな役でもこなしていかないと、他の事務所の若手俳優にゴッソリ持っていかれる。ブランディングなんてしていられる状況ではないんです」(前出・芸能事務所関係者)

 とはいえ、濡れ場が多い役を演じることにはメリットもあるという。

「濡れ場の多いドラマは女性の視聴者が圧倒的に多く、そこで魅力的な演技ができれば新たな女性ファンを開拓することができるんです。また、恋愛系ドラマの場合、端役のほうが個性的に描かれることも多く、視聴者がハマりやすいという傾向もある。そういう意味では、エロい役やサブキャラを演じることで、女性ファンに強くアピールできるんですよね」(前出・ドラマ関係者)

 アイドルの王道を進むだけでは、勝ち残っていけなくなったジャニーズタレントたち。今後は、より一層幅広い魅力を見せる彼らに会えそうだ。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2021/08/21 22:00
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