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「雨上がり」の2人が並ぶ姿に違和感なく… 解散という悲劇的結末を招いたベテランコンビの“すれ違い”

「雨上がり」2人が並ぶ姿に違和感なく… 解散という悲劇的結末を招いたベテランコンビのすれ違いの画像1
雨上がり決死隊(写真/Getty Imagesより)

 17日、お笑いコンビ、雨上がり決死隊の宮迫博之と蛍原徹が吉本興業公式YouTubeチャンネル、ABEMAで配信された『アメトーーク 特別編 雨上がり決死隊解散報告会』で解散を発表した。

 宮迫も蛍原もコンビでの活動復帰を目標にしていながら、宮迫が闇営業騒動でテレビ界から去って2年あまり、2人の気持はすれ違い、解散するこの日まで共演はなかった。

 東野幸治は解散について「それまで宮迫リーダーで、ワンマンで決めていくんでしょ。仕事とか、東京行くのとか。その流れで、闇営業騒動の後もやっていって、どんどんと気持ちが離れていったってこと?」とまとめた。

「だれよりも一緒にいて、照れくさい」と蛍原とコミュニケーションを取らなかった宮迫。今までと同じスタンスで宮迫に「雨上がり」を任せた蛍原。言葉を交わさないことが残念な結末を招いてしまった。

解散を切り出したのは蛍原。

 当初、蛍原は復帰の道のりとして、「世間の皆さんの声がわりと大丈夫かなと踏んだら、僕ら舞台から出発してるんで、もう一回舞台からちょっとずつ、吉本の劇場ダメなら、自分たちで借りてでも、地道にいけたら」と考えていた。そして宮迫も同じ考えを持っている思っていた。しかし蛍原が騒動後宮迫と2人きりで会ったのは、すでに宮迫がYouTubeを始動させて何カ月もたった後。電話やメールはしていたというが、蛍原はこの思いを宮迫と共有していないのだろう。

 YouTubeを始めることも、決定した後に報告を受けただけで、蛍原はいまだに活動を始めた時期に納得しておらず、解散の大きな要因だったようだ。

 宮迫がYouTubeは始めたことと時期にも理由がある。騒動後、「一番アカンことを考えてしまっていた。消えてしまった方がいいのかなとか」と最悪の事態を考えてしまっていた中でYouTubeの誘いがあったのだ。迷いはあったものの、動くことを選んだ宮迫。

 そして準備をしている最中に、ロンドンブーツ1号2号が2人揃って会見をするというニュースが上がった。そこに活動再開のきっかけを見いだし、人気YouTuberとのコラボ動画を撮影していくのだが、会見が延期となってしまった。コラボ相手の事情で、会見後に配信しようと思っていた謝罪動画を、会見前に出さざるを得なかったのだ。

 蛍原が納得していないことに宮迫は気が付いていた。しかし「その辺の細かい気持ちとか伝えてれなかった」と伝えることはしなかった。「説明ができていないまま始めてしまったのは完全に僕のミスなので、やっぱりコミュニケーションを僕があんま取っていなかった。僕のダメな性格が出てしまってのズレだったので」と宮迫は猛省している。

 配信では2人のコンビ愛が伝わる場面が何度もあり、この結末がより一層悲劇に見える。

 出川哲郎が驚いたのは、蛍原から解散を切り出したことだと言い、「ホトちゃんは宮迫には直接言わないかもしれないけど、雨上がりは宮迫のおかげなんです。宮迫あっての雨上がりなんです。ってあなたのいない所で俺らに普通に言ってた人だから。それが本当にびっくりした」と話す。

 狩野英孝からの質問で「宮迫さんが(アメトークで)気を付けてること。蛍原さんのフォローとかサポートとか」と聞かれると、宮迫は「(蛍原が)たまに猛烈にボケたがる時がある。進行ですから、我慢してんねんけど。10回に1回だけトンと(背中を)押してあげることをやって欲しい」と答える。

 当初、解散するにあたり蛍原は『アメトー―ク』だけは続けられないと主張していた。しかし宮迫は「初冠番組であるんだけど、今は若手芸人の目指す場所だから。それは俺らが解散するからって番組をなくすのは違うと思う。そこだけはやって欲しい」という思いで説得。

 蛍原には「宮迫さんのおかげで僕があるのよ。(宮迫と)離れるっていうことは、僕だけ残るのはあまりにも都合よすぎるんじゃないか」という気持ちがあったのだが、宮迫はこれに「ずっと昔から僕のおかげでって言うんですけど。それは違くて」と否定。「勝手しながら、やろうと思ったことがうまくいったかもしれないですけど、その間にどれだけこの人が僕のために謝ってくれたりとか、僕のフォローをしてくれなかったら、もちろん僕はいる訳がないんですよ。コンビの力だから。どっちが欠けていても絶対今この立場にはいなかったですよ」 と2人の関係を熱く語るのだ。

 さてナイティナイン岡村隆史が、ラジオでの女性蔑視発言で炎上した騒動があった。その時、相方の矢部浩之は岡村のラジオに生出演し、「公開説教」として1時間以上かけて具体的に岡村の問題点を次々と指摘していった。

 嫌いになりたくなくてと楽屋を別にするなど、距離を取っていた矢部。そこまでためこんでいたのに、話し合うことをしなかったのは、家族でもない友人でもないお笑いコンビという特殊な関係ならではの難しさがあるのだろうか。

 すぐに復帰までの道筋を2人で話し合っていたのなら。YouTubeを話し合って決めていたのなら。後からは何とでも言えてしまうのだが、いつものセットにお馴染みの出演者が揃い、「雨上がり」の2人が並ぶ姿に違和感はなく、最後になるのは惜しかった。

大沢野八千代(ジャーナリスト)

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

おおさわのやちよ

最終更新:2021/08/18 20:00
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