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日刊サイゾー トップ > 社会 > 政治・経済  > 横浜市長選で負けるはずのない小此木候補

菅首相下ろしののろし? 横浜市長選で負けるはずのない小此木候補が野党候補に苦戦

ブレる菅首相への市民の不信感

 加えて、「これまでカジノを推薦する立場にありながら、IR推進派の現職の林市長を切り捨て、小此木氏支持に舵を切った首相の節操の無さも、有権者を困惑させている」と横浜市の関係者は話す。

 菅首相はこれまで林市長と二人三脚で選挙を戦ってきた。14日付の読売新聞によると、林市長も7月15日の出馬表明前に、菅首相に電話を入れ、「IRは横浜の将来に必要です。実現させるためにも立候補します」と伝えた。しかし、菅首相に「そんなことは関係ない」と突き放された。

 自民党所属の横浜市議36人中、林市長の支持に回ったのはわずか6人に留まっている。林氏は8日、「国の戦略を自ら覆す。こんな不実があっていいのか」とIR推進の正統性を訴えると同時に、菅首相への恨み節を述べた。3期12年務めた現職の知名度を強みとしたいところだが、こちらも苦戦を強いられている。

 10日配信の文藝春秋digital版によると、菅首相と小此木氏の仲は菅首相が75年(昭和50)に26歳で小此木氏の父・彦三郎氏の秘書になって以来の関係だ。当時、小此木氏は10歳。小此木家に寝泊まりしながら仕事をする菅氏と朝食などを共にしているうちに、自然と親しくなったという。

 菅首相も子供の頃から知っている“小此木八郎”だからこそ、「俺は八郎で行く」と露骨なえこひいきとも見える市長選での肩入れを隠さない。ただ、IRを推進してきたはずの菅首相の豹変ぶりは一部有権者から、「政策よりも情実で人事を行う人。ポリシーがない人。こんな人に国のかじ取りを任せて良いのか」(横浜市中区在住のIR推進派市民)などと批判の声も上がる。

 菅政権下で行われた4月の衆参3つの補欠選挙・再選挙で自民党は全敗した。7月の都議選も辛うじて第一党となったものの、獲得議席は過去二番目に少ない実質的な敗北だった。内閣支持率が低迷する中、横浜市長選でもし敗北すれば、自民党内から「菅では総選挙を戦えない」とする菅下ろしの声が一気に上がり始めるだろう。

 横浜市の選挙人名簿登録者数は、314万67人(8月7日現在)。菅政権の命運をも左右しかねない横浜市長選に間もなく審判が下る。

会社員兼フリーランス・ジャーナリスト。政治、経済、社会ネタを気の向くままに執筆

みつけたろう

最終更新:2021/08/18 17:00
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