不要不急でファビュラスな叶姉妹と中年男性たち
#叶姉妹 #テレビ日記
長州力「間違って殴られたときが一番痛い」
叶姉妹ほどではないけれど、私も日々、テレビで見聞きした必ずしも生活の役に立たない言葉を記録し集めている。先週のテレビ番組のなかから、そんな言葉をいくつかご紹介したい。
1つ目は、13日の『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)から。ゲストの長州力に、千鳥の大悟が「こういうのって聞いていいんかどうかわかんないんですけど。プロレス界の……」と前置きし、「一番痛い技ってなんなんですか?」尋ねた。長州によると、よく聞かれる質問らしい。彼はこう答えた。
「それはもう一番は、間違って殴られたときが一番痛い」
一斉に破顔する松本人志やゲストたち。大悟の配慮を感じさせる前置きを前フリにしてしまう破壊力。顔面を殴ったら本来はダメといった、プロレスのルールなどについての長州の説明不足もあるのかもしれないけれど、彼のキャラクターもあり笑ってしまった。
2つ目は、14日の『人生最高レストラン』(TBS系)から。この日のゲストはダチョウ倶楽部。芸能界一グルメにうるさい男とも呼ばれる寺門ジモンだが、相方の2人をおすすめの店に連れて行くこともあるらしい。
で、あるとき福岡の寿司屋に寺門と2人で行った肥後克彦。事前に寺門は「そこ頑固オヤジだから、失礼なこと絶対言うなよ」と肥後に注意していたらしい。が、おいしい寿司を口にした肥後は「大将、顔汚いけど寿司キレイだね」と言ってしまった。肥後の“冗談”に寿司屋の大将は笑っていたらしいが、寺門は「何を失礼なことを!」と憤慨。肥後は言う。
「でも、大将は笑ってんのよ。頑固オヤジはこいつ(=寺門)だったのよ」
なお、その店に上島竜兵は行かなかったらしい。なぜなら、移動車が狭かったから。ギュウギュウに乗るのが嫌な彼は機嫌を損ねたらしい。結成36年のダチョウ倶楽部。それぞれクセのあるキャラクターだが、もうどの角度からも可笑しい。
3つ目は、13日の『ラヴィット!』(TBS系)から。この日のゲストは錦鯉。昨年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の決勝に史上最年長で進出した漫才師だ。
今年で50歳となった長谷川雅紀は、オープニングで紹介されるなりいつものように「こーんにーちはー!」と大声で挨拶。これに相方の渡辺隆が長谷川の頭を叩きながら「おはようだよ」とツッコミを入れた。ただそれだけのやりとりなのだけれど、ただそれだけで面白い。また、東京ドイツ村のロケVTRにも登場した錦鯉。2人は次のように挨拶した。
長谷川「50回目の、夏だよ!」 渡辺「やりすぎだよ」
長谷川の全力の「!」が沸き起こす哀愁を帯びた笑い。それに対する渡辺のシンプルなツッコミも可笑しみを誘う。というか、渡辺は「○○○○だよ」に当てはまる文字数で挨拶時のツッコミを考えているのだろうか。そのためか、この場合は「やりすぎだよ」が必ずしもボケに合わない強引なツッコミのような気もするけれど、そうだとするとそれもまた面白くなってしまう。
先週のテレビ番組で見聞きした必ずしも生活の役に立たない言葉。“不急”ではあるけれど、“不要”ではない面白さ。というか、登場人物が全員、中高年男性になってしまった。けど、こういうのもまたファビュラスだと思う。ファビュラスなおじさんたち。たぶん、言葉の使い方は合っていると思う。
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