張本勲氏『サンデーモーニング』の女性ボクシング蔑視問題、過去には「追い出し騒動」も
#ボクシング #TBS #張本勲
日本ボクシング連盟は8月11日、TBS系の情報番組『サンデーモーニング』での張本勲氏の発言に対し、抗議文を送ったことを明らかにした。
張本氏は8月8日放送の同番組で、東京五輪女子ボクシングフェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈選手に対して、「女性でも殴り合いが好きな人がいるんだね」「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って、こんな競技好きな人がいるんだ」など女性蔑視的な発言をした。
これに対し日本ボクシング連盟の内田貞信会長は文書にて、ボクシング競技は<単純な、暴力的な殴り合いではないこと、技術を駆使競技であること>を説明したうえで、張本氏の発言について、<女性だからそんな競技に取り組むべきではないという、多様性を否定するような>ものであるとして、訂正を求めた。
今回の日本ボクシング連盟の抗議は当然のことだと、とあるテレビ局関係者は話す。
「『サンデーモーニング』は政治や社会に関するニュースに対しては、リベラルな立場ではありますが、ことスポーツに関してはとんでもなく保守的なスタンス。高齢者がメインの視聴者層であり、張本氏のようは“昔ながら”の考え方がフィットする部分もあるのでしょう。今までも、張本氏の発言がいろいろな形で話題になったこともありますが、今回は連盟が正式に講義したことで、騒動が大きくなってしまった」
TBSは日本ボクシング連盟からの抗議文を受けて、謝罪文を送付。『サンデーモーニング』の金富隆・制作プロデューサーは、入江選手の金メダル獲得を称賛することが本意だったとしながらも、<「女性及びボクシング競技を軽視した」と受け取られかねない部分があり、これについては本来であれば番組内で対応すべきでした>として、謝罪をした。また、張本氏も<ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかったのです。言葉足らずで反省しています>とコメントしている。
そもそも、『サンデーモーニング』については、以前から番組が内包する矛盾を指摘する声も多かった。
「政治については基本的に“反政権”のスタンスで、リベラルな意見を発信していますが、スポーツやカルチャーに対してはかなり保守的。これはあまりにもバランスが悪い。番組としての主張が完全に矛盾しており、これでは発信される意見全てに疑問符がついてしまいます」(同)
過去には、番組内で出演者の意見が衝突し、一方が降板するという騒動もあった。
2010年5月、『サンデーモーニング』で楽天イーグルスの岩隈久志投手が試合途中で降板したことに対し、張本氏が「無責任」と発言したところ、同番組にコメンテーターとして出演していた江川紹子氏が「えー」と反発。すると、張本氏が腹を立て、番組側に江川氏の降板を要求したという。江川氏は番組サイドから休養を求められ、その後降板となった。
「番組サイドとしては、良くも悪くも話題になる張本氏の“時代性を無視した発言”を人気コンテンツと捉えていたのでしょう。たしかに、張本氏の“喝”に期待している視聴者はそれなりにいますからね。でも、メディア全体の流れが大きく変わっている今、まったく多様性を認めない張本氏の意見は、さすがに見過ごせないレベルになっています。今回ばかりは、張本氏の勇退も含めて、何かしらの動きをせざるを得ないのでは」(同)
すでに番組終了説も浮上しているが、すくなくとも保守的な張本氏がいなくなれば、『サンデーモーニング』も矛盾なきリベラルな番組へと生まれ変わるのかもしれない。
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