2つの国の溝への葛藤をユーモラスに、爽快感抜群な演出で楽しませてくれる『パッチギ!』
#映画 #差別
皆さんこんばんは、宮下かな子です。危険を感じてしまう程の猛暑日が続いていますが、皆さんご無事でしょうか?
オリンピックも無事幕を閉じ、次はパラリンピックが始まりますね。普段スポーツを観る機会のない私ですが、オリンピック開催期間中は自宅にいれば何かしら競技を観戦していました。柔道阿部兄妹の金メダルも、混合ダブルス水谷伊藤ペアの逆転勝利も白熱の試合でしたし、新競技のスケートボードも空手の形も観戦。以前ツイッターの投稿で、皆さんが注目している競技を質問したところ、テレビ放送されない〝馬術〟という回答があり、スマホで観れる配信サイトで観戦してみたりも。
特に私が注目して観ていたのは卓球ダブルス。走ってボールを打ったら倒れ込んで、その間相方がカバーするといった連携プレー……! 卓球って、卓上だけが全てではないんですね! 圧倒的な王者の貫禄を漂わせる中国を相手に、立ち向かう日本代表選手達の凛とした姿と強い精神力、本当に感動しました。
無観客というのもやっぱり寂しい気はしましたが、試合途中に監督と選手のベンチでのやりとりが聴こえてきたり、選手同士の声かけだったり、今まで聴こえなかった声が聴けたのは、とても興味深かったなと思います。
試合の実況アナウンサーと解説者のやりとりも結構楽しくて、真面目に的確に実況するアナウンサーと、応援の気持ちが強まって「いけ!」「よし!」と感情的な声を発する解説者のバランス感に、にやにや笑みを浮かべていました。特に解説席で印象深かったのは、ソフトボールの決勝の解説者、アテネ五輪日本代表監督を務めた宇津木妙子さん。「焦るなよ~焦るなよ~」などと、解説というよりも選手への呼びかけの声に思わずクスクスさせられ、優勝後の「おーい!よくやったー!ありがとうー!」と大声での呼びかける姿には、心がグッと動かされましたね。時に的確な分析よりも、素直な感情を伝えるほうが視聴者に届くんだなぁと、試合と同様に感動しました。安全に開催できるのかとはじめは不安もありましたが、精一杯プレーをする選手達の姿に心動かされる日々でした。
さて、オリンピックの熱気も冷めやらぬ今、同じくらい熱い物語が観れたら! と思い、井筒和幸監督『パッチギ!』(2005年シネカノン)をご紹介することに致します!
〈あらすじ〉
1968年京都。高校2年生の庸介(塩谷瞬)は、担任からの指示で、敵対する朝鮮学校にサッカーの親善試合を申し込みに行くことに。そこで庸介は、音楽室でフルート吹く女学生キョンジャ(沢尻エリカ)に一目惚れして……。
タイトルでもある〝パッチギ〟とは、朝鮮語(韓国語)で「乗り越える、突き破る」そして「頭突き」の意味。まさに、「頭突き」が何度もある高校生達の激しい乱闘シーンを多く描きながら、在日コリアンの差別問題を、主人公達が「乗り越える、突き破る」展開となっていて、なんともピッタリなタイトルです!
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