小林賢太郎、五輪ディレクター解任劇と批判であらためて考える“芸人”の社会での位置
#東京オリンピック #小林賢太郎
小林賢太郎への批判をめぐる芸人のあり方
不憫といえば、この問題で炎上した芸人がいた。それは”かまいたち”の濱家さん。小林さんのニュースについて、7月25日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ)での「所詮芸人」という発言が問題になったらしい。
問題になっている発言を読んでも、イマイチ何がいけないのか理解が出来なかったが「小林さんは所詮芸人なんだから、分不相応な事をせずに、芸人らしくしていればいいんだよ」という捉え方をした人がいるということなのだろうか?
僕が受けた印象は、そういう意味で“所詮芸人”と言っているようには思えなかったし、その後のツイッターでの謝罪文にもあったように、自戒の言葉として受け取れた。
そもそも“所詮芸人”という言葉は、”小林賢太郎”には当てはまらない。
僕が若いころ『完売劇場』(テレビ朝日)という番組でご一緒させて頂いていたが、本人が自分の事を芸人と言ってる記憶はほぼ無いし、彼を芸人と思ったことは一度もない。芸人というよりはむしろ”表現者”と言うほうが当てはまるのではないだろうか。
ラーメンズのネタには、どこで笑っていいのかわからないものや、「これって本当に笑わせたいのか?」と思うようなものがある。さらに小林さんが手がけた舞台には、笑いが無いものも多数。つまり笑いというのは表現のひとつで、ネタに見えたものは笑いの部分だけをピックアップした芝居なのではないだろうか。本人と直接そんな話をした事は無いが、そんな気がしてならない。
今回の解任を受けて、小林さんが出したコメントの冒頭に「小林賢太郎と申します。元コメディアンであり……」という一文がある。元芸人ではなく、元コメディアン。
コメディアンという言葉は日本では芸人と称されることが多いが、本来の意味はコメディ、即ち喜劇を演じる俳優を指す。そう考えるとやはり本人も、自分の事を芸人だとは思っていなかったのではないだろうか。
つまり濱家さんの言葉は濱家さん自身に向けられた言葉で、小林さんに向けた言葉だったら「所詮コメディアン」と言い換えていたはずだ。視聴者はそこに気づけなかったという事だ。
東京オリンピックの関係者の中に「所詮芸人のネタだから」と言ってくれる人がいれば、もしかしたら解任されることは無かったかもしれない。
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