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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム >  パンドラ映画館  > 特撮へのオマージュ満載!カナダ映画『サイコ・ゴアマン』
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.646

最凶宇宙人と性悪少女のほっこり系SFドラマ!“東映特撮”へのオマージュ『サイコ・ゴアマン』

さようなら、サイコ・ゴアマン!

最凶宇宙人と性悪少女のほっこり系SFドラマ!東映特撮へのオマージュ『サイコ・ゴアマン』の画像3
宇宙における絶対的正義の存在「テンプル騎士団」。実は既得利権を守る集団。

 本作の極め付きは、ミミが物語中盤で吐く台詞だ。地球文化を知らないサイコ・ゴアマンが「愛とはなんだ? 俺の心にあるのは、怒りと憎しみだけだ」と呟くと、ミミはこう言って孤独な宇宙人を励ます。

「大丈夫よ。愛は負け犬のものだから」

 愛の存在も、神さまも信じない世界一タフな少女・ミミ。とは言っても、ひとりぼっちになるのはやっぱり嫌。そんなミミにとって、サイコ・ゴアマンはサイコーにゴージャスな親友となるのだった。愛はいつか消えるもの。でも、友情は一生ものだ。

 やがては、ミミも普通の恋をして、常識のある普通の大人のひとりになっていくのかもしれない。だが、常識を守るのは、それが正しいからではない。常識に従っていたほうが、退屈であっても一般社会を生きるのがずっと楽だからに過ぎない。

 それでも、ミミはきっと覚えているだろう。子どもの頃に、短い日々だったけれど、最凶宇宙人のサイコ・ゴアマンというベストフレンドがいたことを。そして、全宇宙を巻き込んで全力で遊び尽くしたことを。その記憶は、ミミが退屈な大人の社会を生き抜いていく上で、サイコーにゴキゲンなお守りとなるはずだ。さようなら、サイコ・ゴアマン。ありがとう、ミミ。この映画を見終わったあなたは、ほっこりした気分で映画館を後にするに違いない。

 

最凶宇宙人と性悪少女のほっこり系SFドラマ!東映特撮へのオマージュ『サイコ・ゴアマン』の画像4『サイコ・ゴアマン』
製作・監督・脚本・編集/スティーヴン・コスタンスキ
出演/ニタ=ジョゼ・ハンナ、オーウェン・マイヤー、アダム・ブルックス、アレクシス・ハンシー、マシュー・ニネバー
配給/アンプラグド PG12  7月30日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
(c)2020 Crazy Ball Inc.  pg-jp.com

最終更新:2021/07/30 07:00
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