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クレヨンしんちゃん新作ゲーム『オラ夏』は『ぼくなつ』要素ありの高評価!「正面」へのこだわりも話題に?

クレヨンしんちゃん新作ゲーム『オラ夏』は『ぼくなつ』要素ありの高評価!「正面」へのこだわりも話題に?の画像1
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK ©Neos Corporation

「クレしん」の愛称で親しまれているギャグ漫画『クレヨンしんちゃん』をテーマにしたSwitch用ゲーム『クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』~おわらない七日間の旅~』(以下、オラ夏)が7月15日に発売開始された。

 タイトルからもわかるとおり、本作は「夏休みをテーマにしたアドベンチャーゲーム」だ。これを聞いて、ゲームファンなら1つのタイトルが思い浮かんだのでは? それは『ぼくのなつやすみ』シリーズだろう。

ぼくなつのシリーズ監督が手掛けた新作は2月からすでに話題

 ぼくのなつやすみは夏休みをテーマとしたアドベンチャーゲームで、シリーズ1作目は2000年6月にPlayStation用タイトルとして発売された。その後、PSP、PS2、PS3で展開されているが、全作を通して「夏休みを楽しむこと」が基本テーマとして統一されている。

 だが、2010年6月に登場した『ぼくのなつやすみポータブル2 ナゾナゾ姉妹と沈没船の秘密!』を最後にシリーズの更新が止まっており、ぼくなつファンたちからまだかまだかの声が挙がっていた。

 こういった状況の中、今年2月にNintendo Directにてオラ夏が発表される。しかも、本作は『ぼくのなつやすみ』シリーズ監督である綾部和が手がけることも発表され、ファンたちが一気に盛り上がりを見せた。

 実際、オラ夏が発表されたNintendo Directでは、動画の再生回数がサードパーティー製ソフト歴代最高となる190万回を記録しているほどだ。

 オラ夏は、日常と非日常が織り交ざるノスタルジーな日本の町を舞台に、クレヨンしんちゃんのひと夏の物語を描いたアドベンチャーゲーム。

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©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK ©Neos Corporation

 ひろしの九州出張に合わせて、熊本のアッソーに住んでいるみさえの古い友人の家に1週間お世話になることになった野原一家。アッソーに向かう途中の熊本駅で、変わったおじさんからモニターになることを条件に彼が発明した、ちょっとふしぎなカメラをもらうところから物語が始まる。

 このカメラを手に、しんのすけは美しい里山や田畑を駆け回って夏休みを満喫するのだが……。アドベンチャーゲームという性質上、あまり詳しく言及するとネタバレになってしまうのでこのへんにしておくが、ゲーム内では昆虫採集や魚釣りなどで夏を楽しんだり、ミニゲームもプレイできるようになっている。

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©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK ©Neos Corporation

 Amazonでのレビューは3.3となっているが(7月26日現在)、梱包などへの不満を除いたゲームに対する評価に絞ると、概ね好意的な感想が多い。クレしんが題材になることによる拒否反応もあるかと予想していたのだが、それほどではなく、むしろ独特の世界観を受け入れているゲーマーが多い印象だ。

 もちろん、ぼくなつシリーズのほのぼの感やノスタルジックな世界観は継承されているようで、従来のシリーズファンも楽しめる内容になっていると判断してよさそうだ。とはいえ、ゲームのボリュームが少ないという声も複数挙がっており、超大作を期待すると肩透かしに合う可能性もありそう。

「正面」描画なしへのこだわりも高評価に

 本作ではゲーム内容についてもう1つ話題になっていることがある。それは、しんちゃんの「正面」問題だ。クレしんファンたちの情報によると、しんちゃんの作画上の注意点として「正面の顔」はないという。これはアニメでも徹底されているようで、今回のオラ夏でどうなるのかに注目が集まっていた。

 ゲーム発売後、さっそく正面を確認するプレイヤーが登場。結論は、オラ夏でも正面はなかった。SNSに投稿された検証動画では、しんちゃんの正面を捉えようして操作するものの、描画されない様子がわかる。

 また、しんちゃんの特技「ケツだけ星人」も本作に実装されており、しかも高速ダッシュ機能としてボタンの割当てまでされている驚異のこだわりも。お尻を突き出して無言で走るその様子は、かなり滑稽でシュールな絵面に。

 こういった徹底した表現へのこだわりと作り込みに、クレしんファンからも納得の声が挙がっており、本作の高評価にも繋がっている。魂は細部に宿るを体現した例と言えるだろう。緊急事態宣言で外出自粛ムードが続いている現在、今年の夏休みはSwitchでしんちゃんと楽しむのも1つの方法かもしれない。

©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK
©Neos Corporation

 

辻 英之(編集者)

起きてる間が営業時間のプロ編集者。ゲームメディアの編集長、IT企業での経験を活かし、デジタルエンターテイメント分野記事を中心に寄稿中。ビジネスジャーナルでは『オレの周りはゲームばかり』を連載中。

つじひでゆき

最終更新:2021/09/10 16:24
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