「会社に勤めずに屋根と壁を手に入れている」“プロヒモ”ふみくんが説く、令和の「シン・ヒモ」論
#インタビュー #ヒモ
セーブポイントとしての「ヒモの幸福論」
そんなふみくんが、このたびエッセイ『超プロヒモ理論 浮いた家賃は1000万、寄生生活13年の逃げきり幸福論』(二見書房)を上梓した。ふみくんのヒモ生活のあれこれや、そのなかで培った珠玉の人生訓が綴られている。
ちなみに、本書を出版したきっかけも、ネットで度々バズっているふみくんに興味を持った女性編集者からのアプローチがあったからだそうだ。
「この本は、『ヒモになるための恋愛ハウツー本』では全くないんですよ。どちらかと言うと、『ヒモの幸福論』みたいなものかも知れません。僕も30歳になったし、そろそろこれまでのヒモ生活への鎮魂歌、言うなれば人生のセーブポイントを作っておけたらいいなと思ったんです」
とはいえ、こんなに順風満帆なヒモライフは、ふみくんにしか実践できないことかも知れない。それでも、現状から逃げることができずに自分自身を追い込んで生きることに疲弊してしまっている人の背中を、優しく押してくれるような言葉で溢れているのが本書の魅力だ。
「すべての人に『辛いことから逃げろ』とは言いません。逃げることで逆にストレスを抱えてしまう人にとっては本末転倒でしょうし、そもそも無責任ですよね。でも、逃げることが選択肢として浮上しないのは、それはそれで人間らしくないことだと思っているんです。例えば、こちらが丸腰の時に暴れまくるゾウに対峙したら、考えるよりもまず先に逃げますよね。それは全然恥ずかしいことじゃない。逃げずに自分を死に追いやってしまう人がいる一方で、僕みたいに逃げて逃げて逃げまくってても生きている人間もいる。だから、もし逃げざるを得ない状況になって、あと一歩の“理由”が必要だなと思ったときに、この本と僕を、サボる言い訳にしてほしいです」
それにしても、本書はこれまでの彼女たち(飼い主)とのヒモライフを赤裸々に明かしているが、もし彼女たちがこれを読んだりしたら……?
「問題ありません。というか、今までの飼い主はみんなこの本を買ってくれるはず! 今の彼女についても失礼なことをいろいろ書きましたが、あとがきを書くことも引き受けてくれましたし、Twitterアカウントを作って販促もしてくれてます」
まさに人たらし。プロヒモふみくん、恐るべし!
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事