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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 松本人志はなぜ笑い続ける? 「女子メンタル」のお笑い技術

松本人志はなぜ笑い続けるのか? 元芸人が解説する「女子メンタル」「イケメンタル」に散りばめられたお笑い技術とは?

お笑いにおけるTPOの重要さ

 参加者は高橋克典さんや、山田孝之さんといった俳優どころから、バラエティでも活躍している武田真治さんやJOYさんなど。ジャンルも知名度もバラバラなメンバーが集められていた。

 こちらに関しては女子メンタルより個人差が出てしまったように感じた。

 台本が無い状態で番組が進行していくという事は、皆さんが普段、友だちと会話をしている時と同じで、その場で誰かに話しを振ったり、どこに注目するかを決めるような進行役が自然と決まっていくことが多い。その進行役がある程度一般的な笑いのセンスやトークスキルがある場合、話が盛り上がったり、笑いが起きたりする。

 イケメンタルに関しては、笑いのスキルが高いと思われる山田孝之さんや武田真治さん、一番ベテランで頼られる存在の高橋克典さんは進行役になるタイプではない。となると次にバラエティ慣れしているJOYさんが自然と進行役になる図式が考えられるのだが、実際は進行役が何人も出てきてしまい、収拾がつかない状態になってしまった。

 さらには進行役が話しの筋を作ることが出来ない故に、それぞれが焦ってしまい我先にと笑いを取りにいった結果、集中力がなくなり、最終的に現場の空気が散漫になってしまったように感じた。

 ここに女子メンタルでいうところのファーストサマーウィカさんのような進行役がいれば、最後まで集中力が途切れず笑わせ合いが出来たのではないだろうか。

 数人で筋書きのない話し合いをするという点において、このドキュメンタルはただのバラエティ番組ではなく、皆さんの日常生活においてとても勉強になる番組だと思う。会社での会議や、カフェでの雑談、今はなかなかできない飲み会など。

 TPOに応じて会話の内容は変わってくるが、ただ目立とうとするのではなく、自分の役割を見極めることによって、各々の場で存在感を持ち、一目置かれる奴になることも出来る。

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2021/09/17 11:51
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