『チコちゃんに叱られる!』東京五輪の番宣? 運動神経を「才能ではない」と説く解説がどうしても信じられない!
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なぜ、四角いリングなのに「リング(輪)」と呼ぶのか?
この日最後のテーマは「なんでボクシングのリングは四角いのにリング(輪)って呼ぶの?」という疑問で、チコちゃんが発表した正解は「丸だとロープが張りづらいから」であった。
ボクシングのリングが四角いのに「リング」と呼ばれるようになった理由と、ボクシングの歴史は直結しているという。ボクシングを殴り合いのスポーツとするならば、その始まりは紀元前に遡る。そして17世紀になり、ボクシングはイギリスで大ブームを迎えた。ただし、当時のボクシングは現在のボクシングと似ても似つかないものだった。この頃、ボクシングは賭けの対象だったのだ。さらに、当時は今のようなルールもなかった。選手はグローブ無しで殴り合うし、レフェリーは不在、目つぶしもOK、首絞めOK、頭突きもOKのなんでもあり、スポーツマンシップ皆無の競技だったらしい。これじゃあ、ただのケンカだ。
さらに、当時は今のようにロープも張られていなかった。観客たちは自分がベットした選手が逃げ出さないよう、選手の周りをぐるっと囲っていた。2人の闘いの場が「リング」と呼ばれているのは、ギャラリーの並び方が語源だと考えられているのだ。『キン肉マン』に登場した試合形式「ランバージャックデスマッチ」を円形のスペースで行ったと考えるとわかりやすいか?
では、なぜ現在のようにロープを四角く張るようになったのだろう。その背景にはいるのは、“現代ボクシングの父”と呼ばれる男である。18世紀にイギリスのボクシング界で頭角を現し、王家がパトロンに付くほどの人気と実力を誇ったジャック・ブロートン。ロープを四角く張るようになったのは、彼のある一戦がきっかけになったと言われている。
今回、その詳細を解説してくれるのは、あのはなわだ。ガッツ石松の武勇伝を歌う『伝説の男~ビバ・ガッツ~』のメロディに乗せ、新曲『伝説の男~ビバ・ブロートン~』を彼は披露してくれた。はなわが歌ったのは以下のような歌詞だった。
「ボクシングがまだ何でもありだった当時のこと 防衛戦に臨んだ王者・ブロートンは相手を殺してしまうところから物語は始まります」
「そんな悲劇を受けて 王者ブロートンは『スポーツなのに人が死ぬなど言語道断』 そこで新ルールを設けた 『以後、安全なボクシグを心がけましょう』 お前が言うなや!」
相手を殺しておいてから、自戒の念で新ルールを作っていた“伝説の男”……。ちなみに「ブロートンズ・ルール」はこんな内容だ。
・ベルトより下の位置の打撃の禁止
・ダウンした相手への攻撃の禁止
・ダウン後30秒以内に立てなければ負け
これでは、金を賭けた野蛮な観客が黙っていられない。円形を崩し、試合中に選手を妨害する者まで現れた。だから、観客が近付かないようにロープでリングが作られたのだ。なぜ四角形かと言うと、三角形だと選手の条件が平等じゃなくなるからである。あと、ロープを円形に張ろうとすると多くの杭が必要になってしまう。ロープを張りにくいのだ。結果、最も少ない柱でロープを張れ、2人の選手が同じ条件になる“四角いリング”が生まれたというわけだ。
確かに、興味深い歴史だった。ただ、残念なことにQ&Aの“答え”が“質問”に対応してないと思うのだ。番組が発表したのは、あくまで“リングが四角い理由”であり、リングが「リング」と呼ばれるようになった理由はフワフワしたままである。
ちなみに総合格闘技団体・UFCが採用しているのは、金網で囲まれた八角形の「オクタゴン」。見たまんまの八角形が名称だし、こちらは至極わかりやすい。
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