「菅義偉首相が後ろ盾です」無免許運転、経歴詐称、そして不倫…都議たちの”華麗すぎる”疑惑と来歴
#週刊誌スクープ大賞
複合人災――熱海土石流の責任は果たしてどこに?
さて今週の第1位は、先週に続いて熱海で起きた土石流災害の原因を追及している新潮と文春。
静岡県熱海市で起きた土石流災害は、今日の時点(7月20日)で死者は19人、行方不明者は10人。
先週の新潮は、この大災害が「人災」ではないかと指摘したが、今週は文春、新潮がともにこの問題の責任がどこにあるのかを追及している。
問題を整理すると、伊豆山地区の盛り土の責任者と見られる2つの会社がある。文春によれば、2006年に最初にこの土地を購入して造成をしたのは神奈川県小田原市にある不動産管理会社「新幹線ビルディング」だという。
翌年、ここは谷地に土砂を運ぶための申請を熱海市に行ったが、「申請とは異なる開発や、産業廃棄物が投棄されていることなどが発覚。県や市から度々指導を受けていた」(文春)そうだ。
盛り土をする場合、30~50センチの土を被せる度に土を固める作業を行うのだが、それをせずに山の上からバンバン土を落とし、さらに、ユンボなど20トン級の重機を3台くらい埋めてしまったというのである。
「プラスチック片などの産業廃棄物を入れているので、あの土地は豆腐みたいに柔らかかったんです」(造成に関わった土木関係者)
この時点で、なぜ県や市は、指導ではなく介入しなかったのだろう。その後、こうした問題だらけの土地ばかり漁っている人物が現れたのである。
2011年に、この土地を含む約40万坪という広大な伊豆山一帯を買ったのは、麦島善光(85)という人間だそうだ。
彼は、経営難の会社や二束三文の土地を買い取り、カネを生み出していくのがうまい人物で、“名古屋の錬金術師”といわれているという。
22歳で「麦島建設」を設立し、その後「ユニホー」という不動産会社を立ち上げ、M&Aなどで事業を拡大して、「ZENホールディングス」をつくり、年間売り上げは800億円にもなるそうだ。
ここは脱税、所得隠しなどで逮捕されたり追徴課税されているが、それは省略する。
重要なのは、この2つの企業に今回の大災害について何らかの責任を問えるのかどうかということである。
新潮は、いい加減な造成をした小田原市にある会社の社長を直撃している。雲隠れしているようで、知り合いのところに電話をして、「カネを貸してほしい、逃げるカネがない」といっていたという。
当人は「逃げているわけではない」というが、友人には、「『10年前に売った土地で、それ以来、全く現場には行っていない。現在の所有者はこれまで何をしてきたのか』『盛り土があると分かっていたはずで、その証拠もある』」と、責任転嫁しているという。
麦島のほうは、代理人の弁護士が文春に対して、被害者の方たちにはお悔やみ申し上げるが、「現時点ではそれ以上のことは申し上げられません」というだけ。
これを読む限り、こうした悪質な業者を野放しにしてきた県や市も責任を免れることはできまい。
まさに「複合人災」とでもいいたくなる今回の大災害だが、亡くなった人たちを弔うためにも、再びこうした“人災”を招かないためにも、責任の所在の徹底究明と被災者たちへの補償問題を早急にやらなければならないこというまでもない。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事