全勝優勝でも白鵬に苦言 辛口解説の元横綱・北の富士に捧げる「どの口が言う?」
#大相撲 #白鵬 #北の富士
ずっと休んでいたのは事実だが、復帰して即優勝でも批判の矢が止まないとは……。
大相撲七月場所で横綱・白鵬が45回目の優勝を飾ったが、これを快く思わない相撲関係者は少なくないようだ。批判の急先鋒は元横綱・北の富士。NHK相撲中継の解説でおなじみの北の富士だが、彼自身が現役時代、“超”が付く問題児だった。
6場所連続で休場した白鵬には引退の可能性もあったが、結果は「120点」の内容だった。初日から連勝街道を歩み、9年ぶりとなった千秋楽の全勝対決も完勝。同郷の後輩・照ノ富士に格の違いを見せつけた。批判の対象は、14日目の正代戦の立ち合いで後ろに下がったこと、張り手、かち上げ、勝った後のガッツポーズ等々。優勝しても“アンチ白鵬”の攻撃が止まることはない。
「14日、白鵬が立ち会いで大きく下がると、八角理事長(元横綱・北勝海)は『ああいうことはしてはいけない』と苦言。優勝後にも横綱審議委員会からは、かち上げやガッツポーズなどについて次々と意見が出て、ある委員は『振る舞いが横綱にふさわしくない』と述べました。
ただ、立ち合いで下がること、かち上げ、張り手はルール上なんの問題もない。日本人力士でもかち上げをやる力士はいるし、土俵でガッツポーズをした力士は過去にもいる。横綱に美学を求めるのも理解できますが、勝ち方にまで注文を付けるのは、野球で『エースはストレートで勝負すべき』と言っているようなものです」(週刊誌記者)
相撲が特別なのは、スポーツであると共に国技であり、文化であり、神事でもあるということ。所作の重要性が問われるのは致し方ないが、スポーツジャーナリストは、相撲が世界から批判の的になる可能性を危惧する。
「相撲界には、現役時代に極めて優れた成績を残した力士に与える『一代年寄』という制度があり、大鵬、北の湖、貴乃花の3人がその恩恵に与りました。しかし相撲協会は現在、これをなくそうとしています。これが白鵬を念頭に置いているのは明らか。白鵬がしかるべき手段で国際的に発信したら、相撲協会がいくら抗弁しても非難に晒されることは間違いありません。
親方に関しても『日本国籍が必要』という条項がありますが、これも問題視される可能性はある。白鵬はモンゴル籍のままでいることを望んでいましたが、親方になるために帰化しました。しかし現時点では引退後に親方になれる確証はない。これも外国人差別につながると批判される可能性があります」(スポーツジャーナリスト)
そして“アンチ白鵬”の筆頭が北の富士だ。名横綱・千代の富士の師匠として知られる北の富士だが、今場所も「あきれてものが言えない」(14日目)、「やっていることはえげつない」(千秋楽)と苦言を呈し続け、場所後の『中日スポーツ』のコラムでは、
「誰の忠告も通じないだろう。それが白鵬の生き方だから仕方がない」
「まあ、せいぜい好きなだけ取るがいい」
「今回の白鵬の優勝で角界が盛り上がることはない」
と、綴った。ただ、彼自身が角界きってのトラブルメーカーだったことをオールドファンは記憶している。スポーツ紙のベテラン記者はいう。
「北の富士はもともと大の稽古嫌いで有名。幕内時代には拳銃所持で書類送検されています。横綱昇進後も暴力団員との交際で処分を受け、1972年の5月場所では調子が上がらず、前代未聞の“不眠症”で休場。さらに7月場所では休場中にハワイに行ってサーフィンをしていたことが分かり、厳重注意を受けました。引退後は千代の富士、北勝海と2人の横綱を育てたことで知られていますが、千代の富士とは部屋の相続を巡って金銭トラブルで揉めています」(スポーツ紙記者)
軽妙な解説で知られる北の富士のこと。“そんな古い証文を持ち出されても……”と一蹴されそうだが、それもこれも日本人力士がさっぱり振るわないのが、すべての原因だ。
「場所前、関脇の高安が元横綱・稀勢の里(現・荒磯親方)の胸を借りて稽古をした際、20番取って『結果は五分』だったとか。番付で自分より上に5人しかいない高安が、2年以上前に引退した親方と相撲を取って五分なんですから、白鵬が1年休んでも誰も勝てないわけです。貴景勝は3日目で休場、朝乃山はキャバクラ通いで出場停止、正代も大関で8勝7敗と、日本人勢はボロボロ。結局、そのイライラをぶつける相手が白鵬ということでしょう」(前出・週刊誌記者)
来場所の番付は東西の横綱にモンゴル出身の2人が並ぶ。彼らを批判すればするほど、“国技”の名が泣くというものだが……。
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