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櫻井翔のダサい私服は意識高いから? ローラなど有名人が熱視線のサスティナブルファッションって何?

櫻井翔のダサい私服は意識高いから? ローラなど有名人も続々と熱視線のサスティナブルファッションって何?の画像1
環境省「サスティナブルファッション」公式サイトより

 サスティナブルファッションとは<衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて将来にわたり持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境や関わる人・社会に配慮した取り組みのこと>※1

 日本のみならず世界中で異常気象や災害が猛威をふるい、深刻な地球温暖化や環境保全への感心が高まる昨今。

 無関心や他人事では、済まされなくなってきたが、だからといって「自分には何ができるのだろう」と考える人も少なくない。

 世界を変えるような大きなことが思いつかなくたって、各々の小さな一歩が集まれば、よりよい社会を作っていくことができるのではないだろうか。それは、決して遠い未来の誰かのためにではなく、今まさにダイレクトに我々の生活にも影響していることを忘れてはいけない。

「ゴミを減らす、差別をしないなど、わかりやすいことなら取り組み安いですが、何かを買うことで持続可能な社会を目指すというのは、矛盾しているような気もしますよね。ただ、視野を広げてみると、今すぐに始められるし、すでに初めていたかもしれません。例えばエコバックを使う、サスティナブルなブランドを選ぶなど。また、サスティナブルを謳っていないモノであっても、それを自分が長く大切に使ったり、不要なものを人に譲ったりってだけでも、それはそれで持続可能な取り組みになりますから」(アパレル関係者)

 2018年には英国高級ブランドが過剰在庫を年間で約42億円分も焼却処分したことが明るみになり、ファッション業界の廃棄物問題が取り沙汰された。

「ブランド保護のために新品の在庫を処分することは、どんなブランドでもあることでした。日本でも大流行りだったファストファッションなども、劣悪な環境のなか労働を強いられる人によって支えられている人権問題も含んで注目を浴びています。これは、作る側だけでなく、安価なものを次々と大量に購入と廃棄を繰り替えし続ける消費者側の問題でもあります。どんな業界でも起こることですが、煌びやかな洋服の裏側でも、見聞きしたくないようなことが起こっているのです」(ファッション系ライター)

 環境省のレポートによれば、衣料品の<原材料調達から製造段階までに排出される環境負荷の年間総量を服1着あたりに換算すると、CO2排出量:約25.5㎏(500㎖ペットボトル約255本製造分)、水消費量:約2300ℓ(浴槽約11杯分)>※1が使われているという。

 ファッションが好きか嫌いかを除いても、生活に不可欠な衣食住においては、ただ生きているだけでも地球に大きな負担をかけている。

 全てを規制し、極端な生活をするのは窮屈だが、選択肢のひとつとしてサスティナブルを自分なりに取り入れてみることは、苦にはならなそうだ。

 2015年から活動拠点をLAに置き、度々サスティナブルな生活を発信しているローラは、自分のキャリアを活かして体現しているひとりだ。

「2年以上を費やし『STUDIO R330』( https://r330.jp )というブランドを昨年から始め、ファッションを通して持続可能な社会を目指しています。オーガニックコットンを使ったシャツや、83%リサイクル素材で作ったスポーツウェアなどの商品を提案しています。梱包の際には捨てられたカカオの殻を使った箱を使用したり、収益の一部を森林再生への植樹活動に充てていたりと徹底ぶり。通常のコットン栽培には大量の農薬が使われ、土壌や海を汚し再生不可能にしたり、さらには生産農家の健康被害も深刻なんです。オーガニック(無農薬)の製品は価格が高くなってしまいますが、広い視野でみればそれだけの価値があるものです。昔のローラはインスタグラムに写真を投稿する時は、絶対に同じ服は載せないと豪語していましたが、今では古着屋さんを利用したり、ファッションを楽しみながら、よりよい選択をしているロールモデルとなっていますね」(既出・ライター)

 私服がダサいと噂の櫻井翔も、応援しているサスティナブルファッションブランドがあるようだ。

「カラフルなアフリカンファブリックなどを使った商品を手掛ける『CLOUDY』( https://cloudy-tokyo.com )は、女性ファッション誌や新聞にも取り上げている人気ブランドです。8000円前後でTシャツは購入できて、商品タグの部分に数字が書いてあり、例えば『10』と書いてある場合、アフリカ現地の子どもへ給食10食届けられるという意味だったり。現地での雇用創出や教育にも力を入れていて、可愛いデザインでファッションも楽しみながら社会貢献ができるんです。再生ポリエステルの素材を使ったり、店頭のハンガーは紙でできていたり、ストーリーを知るほどファンになります。櫻井くんはテレビや私服でも長い間着用しているようですが、このブランドの代表の方と櫻井くんは同窓生で、その縁もあって応援しているんでしょうね」(既出・ライター)

 自分が洋服を買った嬉しい気持ちは、他者や地球を苦しめるプロセスを踏んでいるのではなく、フェアでシェアできるものがいい。だからといって、まだ使えるものを全て処分し、サスティナブルなものに買い替えるのではなく、できる範囲で持続可能な思考を作っていくことが大切だろう。

※1 出典:環境省( https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/index.html

大沢野八千代(ジャーナリスト)

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

おおさわのやちよ

最終更新:2021/07/20 13:00
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