『アタック25』終了はテレビ業界の“終わりの始まり”だった? 若い視聴者を取り込もうとする各局の厳しい状況
#ABCテレビ #長寿番組 #アタック25
テレビ業界にとって、この舵取りは「終わりの始まり」になるかもしれない。
7月14日、ABCテレビの山本晋也社長が会見を開き、今年9月末に放送を終了するクイズ番組『パネルクイズ アタック25』について言及した。
「46年もの長寿番組だった『アタック25』は、最近の世帯視聴率は5~6%と及第点だったものの、コアターゲット(13歳~49歳)の視聴率は0.9%ほどしかありませんでした。山本社長も番組終了の理由について、『番組編成として49歳以下を1つのターゲットとしてやっていこうというのがABCの考え方』と説明。後番組は、ジャニーズの若手グループ・ジャニーズWESTを起用した『あなたの代わりに見てきます! リア突WEST』で、若者をターゲットにした内容になりそうです」
ダウンタウンの松本人志が6月のSNSで「コア視聴率はスポンサー的にも局的にも世帯視聴率より今や重要な指標」と語ったことで話題になったように、ここにきて急激に耳にするようになったのが「コア視聴率」だ。
『アタック25』と視聴者層がほぼ同じ状況の『新婚さんいらっしゃい!』(テレビ朝日系)『アッコにおまかせ!』(TBS系)も打ち切りが囁かれるなか、今期のドラマでは『彼女はキレイだった』(フジテレビ系)の中島健人や、『プロミス・シンデレラ』(TBS系)の眞栄田郷敦など、女性視聴者を意識してイケメンが配置されている番組が目立つ。
「7月16日の『FRIDAY』によると、テレビ各局は若い世代、とりわけ女性をいかに取り込むかに注力しているそう。そのため、旬なイケメン俳優をキャスティングするよう上層部からの指示が出ているといい、イケメン俳優の取り合いとなっているとか。とはいえ、コアを狙いにいった『彼女は~』『プロミス~』はいずれも視聴率は低空飛行となっており、若い世代を取り込むのはかなり難しいみたいですね」(芸能ライター)
それもそのはず、「衝撃的なデータ」を明らかにしたのは、NHK放送文化研究所の「国民生活時間調査2020」。5年ごとに実施している全国的な調査では「テレビ離れ」が加速している実態が浮き彫りになったのだ。
「今回の調査では、全世代が前回調査よりテレビを見なくなっていることが明らかに。とりわけ、10代~20代は20ポイント以上減少し、2人に1人がテレビを見ないことがわかった。2010年には8割が見ていた状況を考えると、この落ち幅は深刻です。実際、10代~20代前半の女性は自宅にテレビがない人も多く、もっぱらTikTokかYouTube、あるいはNetflixが主流メディアになっている。4月に長寿番組『噂の!東京マガジン』(TBS系)の後番組として、ジャニーズの人気グループSnow Manの冠番組『それSnow Manにやらせて下さい』がスタートしましたが、視聴率は振るわず期待外れとなっている。コア狙いに走ったものの、日曜の昼にテレビを見る若者がいないため、誰も得しない状況ができあがっています」(テレビ関係者)
高齢者も若者も離れそうなだけに、テレビ界は「次の指標」を探しておいた方が良さそうだ。
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