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厚生労働省20年「児童生徒の自殺者が大増」発表… 前年比25.1%

厚生労働省20年「児童生徒の自殺者が大増」発表… 前年比25.1%の画像1
写真/Getty Imagesより

 新型コロナウイルスの感染拡大は、家庭や学校などの環境変化を通じ、子どもたちの生活に大きな影響を与えている。厚生労働省によると、2020年の児童生徒の自殺者数が大きく増加した。

 2020年の児童生徒の自殺者数は499人に上り、前年比100人(25.1%)も増加した。際立っているのは、女子の自殺者数が増加していること。特に、女子高生の自殺者数が急増している。

 学校種別、男女別の自殺者数では、すべての小・中・高校の男女共に自殺者が増加している。だが、小学校男子は前年比1人の増加に対して、女子は5人の増加、中学校男子が12人(前年比18.5%)増に対して、女子は22人(同46.8%)の増加、高校男子は横ばいだったが、女子は60人(同75.0%)増加といった具合だ。

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 月別の自殺者数の推移では、2020年の6月(前年比19人)、8月(同31人)、11月(同32人)と、自殺者数が2019年よりも大幅に増加していることがわかる。

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 2015年版自殺対策白書によると、過去約40年間の「人口動態調査」を内閣府が分析した結果では、18歳以下の自殺は長期休業明け直後に増加する傾向があり、その背景として、児童生徒にとって生活環境等が、大きく変わる契機になりやすく、大きくプレッシャー等が生じやすいと考えられている。

 2020年の6、8、11月の自殺者数の増加に対して、厚労省では、「学校を取り巻く状況としては、新型コロナウイルス感染症に伴う長期にわたる学校の一斉休業や夏季休業の短縮、一時的な分散登校の実施、修学旅行や文化祭、運動会、文化やスポーツの全国大会の中止などが同時期と重なっている」と分析している。

 しかし、これらの要因が児童生徒の自殺の原因・動機にどのようにつながっているのだろうか。

 2020年の自殺の原因・動機を見ると、児童生徒全体では、「その他進路に関する悩み(入試に関する悩みを除く)」が55人で1位、「学業不振」が52人で2位となっている。新型コロナによる休校やオンライン授業が、これらの要因になっている可能性はあるが、「その他進路に関する悩み」と「学業不振」は、これまでも自殺の原因の1、2位が続いているおり、特に新型コロナの影響が大きく現れたものとは言い難い。

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 一方、大きくランクを上げたのは、「病気の悩み・影響(うつ病)」で2019年の8位(20人)から2020年には5位(33人)に増加している。2019年、2020年とも4位に「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」が入っていることから、様々な精神疾患を原因・動機とする児童生徒の自殺が多くなったと見られる。なお、「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」は「身体の病気」、「うつ病」、「統合失調症」を除いたものだ。

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 男女別に自殺の原因・動機を見ると、女子では順位の変動が激しい。2019年に2位だった「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」が2020年には前年比70.6%も増加して1位(29人)に、4位だった「その他進路に関する悩み(入試に関する悩みを除く)」が同3倍に増加して2位(27人)、1位だった「親子関係の不和」も同38.9%増加して3位(22人)となっている。

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 男子では「学業不振」(33人)、「その他進路に関する悩み(入試に関する悩みを除く)」(28人)は2019年と同じ順位だが、3位には2019年に5位だった「親子関係の不和」(17人)が上昇した。この点は、新型コロナによる在宅勤務やテレワークの増加が要因になっている可能性がある。なお、2019年に9位(7人)だった「失恋」が6位(13人)となっている。

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