トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム >  パンドラ映画館  > 『プロミシング・ヤング・ウーマン』レビュー
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.643

男尊女卑社会に鉄槌を下す孤高のバッドナース!医大の闇『プロミシング・ヤング・ウーマン』

女性プロデューサーや女性監督たちの活躍

男尊女卑社会に鉄槌を下す孤高のバッドナース!医大の闇『プロミシング・ヤング・ウーマン』の画像3
バッドナースメイクするキャシー。だが、クライマックスには想定外の展開が……。

 ジェンダー視点の復讐サスペンス『プロミシング・ヤング・ウーマン』をプロデュースしたのは、ハリウッドの人気女優マーゴット・ロビー。ジョーカーの恋人という立場からの自立を図る悪役美女を演じた『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』(20)やテレビ局内でのセクハラ人事を題材にした『スキャンダル』(19)などの話題作に主演してきた。三度ハーレイ・クインを演じる『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の公開も8月13日(金)に控えているが、本作ではプロデュース業に専念。長編映画デビューを果たした女性監督エメラルド・フェネルを、裏方として支えた。性差別という社会問題を扱いながら、最後の最後まで目が離せないエンタメ作品に仕上げた手腕はお見事だ。

 お隣の韓国では、新人女性監督のキム・ドヨンが撮った映画『82年生まれ、キム・ジヨン』(19)が社会現象と呼ばれるほどの大きな話題を集めた。女性がどれだけ優秀で、労働意欲が高くても、企業社会で出世やキャリアアップすることの難しさが、せつせつと描かれたドラマだった。若い女性は数年働いた後は結婚・出産し、育児に専念するものという男性社会の固定概念が、チョン・ユミ演じる主人公を苦しめ、多重人格へと追い込んだ。夫や家族の理解がもっと遅ければ、彼女ももしかするとバッドナースになっていたのではないか。

 日本の映画界も、いまだに男性社会のままだ。女性監督だけでなく、女性プロデューサーももっと増えれば、日本でもジェンダー問題を扱ったエンタメ作品が脚光を浴びるようになるだろう。女性に対する偏見をなくすことは、男性側にも新しい視野をもたらすことになるはずだ。

 

男尊女卑社会に鉄槌を下す孤高のバッドナース!医大の闇『プロミシング・ヤング・ウーマン』の画像4『プロミシング・ヤング・ウーマン』
脚本・監督/エメラルド・フェネル
出演/キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー、クランシー・ブラウン、ジェニファー・クーリッジ、ラヴァーン・コックス、コニー・ブリットン
配給/パルコ PG12 7月9日(金)よりTOHOシネマズ日比谷&TOHOシネマズ梅田にて先行公開。7月16日(金)よりTOHOシネマズ日比谷&渋谷シネクイントほか全国公開
(c) 2020 Focus Features, LLC.c) Universal Pictures
https://pyw-movie.com

最終更新:2021/07/09 20:00
123
ページ上部へ戻る

配給映画