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中国で「三人っ子政策」開始! 企業が子作り報奨金を発表も…逆に炎上!?

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産児制限は緩和されたが……

 中国国家統計局は今年6月、国内人口が14億人を突破したことを発表した。しかし、少子高齢化が加速している現実も浮き彫りとなった。

 高齢社会へ突入している中国だが、その対策として産児制限を段階的に緩和している。一組の夫婦につき子供は1人までとする、いわゆる「一人っ子政策」は2014年に廃止が決定され、16年からはすべての夫婦が2人の子どもを持つことが認められた。そして今年5月31日、一組の夫婦につき3人まで子供を持つことを認める、事実上の“三人っ子政策”へと転換することが決まった。

 こうした動きに企業も賛同しているようだ。中国騰訊新聞(6月6日付け)は、女性従業員の出産を後押しする企業について報じている。記事によると、山東省青島市の企業は、今回の政府の発表を受け、3人目の子供を産んだ女性従業員に10万元(約160万円)の報奨金を支払うことを決定したという。

 この企業が公開した社内文書には、女性従業員が3人目の子供を出産した場合、報奨金に加えて、子供が3歳になるまで、粉ミルクの購入費や、妊娠期間中の生活費として毎月1000元(約16000円)などを給与に上乗せし、さらに1年間の有給休暇を与える方針であることが記載されている。

 中国のネット上では、企業のこうした対応に賞賛の声が寄せられているが、一方でこの山東省青島市の企業については炎上騒ぎとなっているようだ。というのも、「この企業には女性従業員が1名しかおらず、企業側が宣伝のために、こうした太っ腹な報奨金制度を公表しているに過ぎない」との指摘がされており、実際にこの企業の関係者が、社内には女性従業員が1名しかいないことを認めたためだ。

 もっとも、“三人っ子政策”を歓迎する流れには影響はなく、重慶市の別の企業は、子供をもうける予定の社員については妊娠するまで残業を免除し、3人目の子供を妊娠した女性従業員には給与に500元(約8000円)を上乗せ、さらに3万元(約50万円)の報奨金を支払うことを社内で発表したという。

 中国の若者の多くは経済的問題から、結婚や子供をもうけることに消極的となっている。中国の専門家からは、子供の誕生に対し、一人当たり100万元(約1600万円)の養育支援金を各家庭に支給する案も出ている。少子高齢化はいずれ国家存続の危機へと繋がりかねない問題だ。子作りの奨励だけでなく、それに見合う経済支援策の提示に注目が集まっている。

廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

明治大学卒業後、中国の重慶大学へ留学。メディア論を学び、帰国後は中国の社会問題についてウェブメディアを中心に執筆している。

ひろせだいすけ

最終更新:2021/07/05 08:00
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