『関ジャム』ボカロP特集! 初音ミク、ハチ、千本桜、シャルル…ボカロ進化の歴史を総ざらい
#ボカロP #関ジャム
6月27日放送『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)が行ったのは、自作曲をボーカロイドに歌わせて活動するクリエイター「ボカロP」の特集だ。「聴いた人に楽器を演ってほしい」という目的を持っていた東京事変を招いた翌週に、楽器を必要としないボカロPを特集! この辺りに『関ジャム』の幅広さが表れている。
今回のゲストはyamaが歌う「春を告げる」を生み出したくじら、Adoが歌う「うっせぇわ」が話題のsyudou、この2人が尊敬してやまないというバルーンこと須田景凪の3人である。というわけで、人気ボカロPたちがスタジオに登場! しかし、照明が暗くて彼らの顔がよく見えないのだ。これには理由があるらしい。
「インターネットで活動している人は顔を出さないことが多いので、そういう文化にのっとってやらせていただいています」(syudou)
いや、ネットで活動していてもユーチューバーやTikTokを主戦場にするインフルエンサーたちはほとんど顔出しOKなんだけど……。そんな中、特にボカロPは顔を隠したがる印象だ。GReeeeNやMAN WITH A MISSIONが顔を隠しているようなものか? ちなみにこの中で須田だけは顔出しOKなのだが、彼に十分なライトが当たると他の2人の顔が見えてしまうため、今回は須田も顔を隠して(微妙にライトが当たり、おぼろげに見える)出演と相成った。巻き添え!
それにしても、syudouが話している場面を今回初めて見ることができた。決してエキセントリックなわけではなく、至って普通の人なんだな……。「うっせぇわ」の印象から勝手な先入観を抱き、申し訳ない。
ニコ動からYouTubeに移行し、収益化が可能に
まず、番組はボカロの進化を紐解く4つのキーワードを提示した。「初音ミク」「ハチ」「千本桜」「シャルル」である。
1つ目のキーワードは、言わずと知れた「初音ミク」。彼女の歌声はオクターブの高さゆえ超音波っぽく聴こえるときがある。正直、ここが好き嫌いの分かれる点だろう。耳馴染みが良いか、否か。あと、はっきり言って歌詞が聴き取りにくい。リリックビデオにし、歌詞の表記で補完することを前提にしているのかもしれない。この辺りが、いわゆるボカロっぽさ? 本音を言うとハードルの高さは否めないところだ。
「(ボカロの)はじめのほうは初音ミクというキャラクターを前面に押し出していたので、人に『趣味として聴いている』とあまり言えないような時代でした」(くじら)
ただ、初音ミクにPerfumeの楽曲を歌わせる遊びがPerfumeブレイクの一助となった事実は確かにあったと思う。こんな風に、ボカロは様々な角度から世に浸透していった。
そして、2009年にボカロP「ハチ」が活動をスタート。現在は米津玄師として活動するあの天才の別名義である。その後、小林幸子が「千本桜」を2015年の『紅白歌合戦』(NHK)で歌唱して話題になった。和楽器バンドのオリジナル曲と思われがちだが、そうではないのだ。
「『千本桜』がボカロという認識が僕にはなくて、知らん間に結構来てんねんなっていうのは思いました」(丸山)
そして、バルーン(須田景凪)が発表した楽曲「シャルル」が2017年のカラオケランキングの1位を獲得! その後、現在に至るというのがボカロ史の大雑把な流れだ。
「この曲(シャルル)が出たのが2016年。それまで割とニコニコ動画というプラットフォームでボーカロイドの曲は伸びていたんですけど、『シャルル』はYouTubeのほうで大変跳ねたんですね。ボーカロイドの裾野がメチャクチャ広がりました」(syudou)
もう1つ、ユーザーの心が離れたためにニコ動が衰退、多くのボカロPがプラットフォームをYouTubeに移したという事実が時代を大きく動かしている。今振り返ると、ニコ動でバズっても動画そのものがマネタイズするわけではなく、収益化の望めるYouTubeに場が移ったのは良い転機だったかもしれない。反面、再生数が視聴時の大きな判断基準になるのがYouTubeだ。新たな才能が発見されにくくなった可能性は無きにしも非ずである。
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