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日刊サイゾー トップ > 社会  > 厚生労働省、2020年の過労死実態を発表

厚生労働省、2020年の過労死実態を発表 ハラスメントやいじめによる精神障害も

ハラスメントによる精神障害も高止まり

 時間外労働時間との関係では、1カ月の時間外労働が支給決定件数では「20時間未満」が68件(うち自殺3件)で最も多く、次いで「100時間以上~120時間未満」が56件(同10件)だった。「160時間以上」30件(同6件)あった。

 就労形態では、正規職員・従業員の支給決定が527件(うち死亡75件)だったのに対して、契約社員を含む非正規雇用では81件(同6件)となっている

 精神障害の発病に関与したと考えられる事柄としては、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が99件で最も多く、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が83件、「同僚等から、暴行または(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた」が71件の順に多い。

厚生労働省、2020年の過労死実態を発表 ハラスメントやいじめによる精神障害もの画像3

 さて、労災を申請して支給開始となる「認定率」は脳・心臓疾患関連で29.2%、精神障害関連で31.9%だった。認定率は低下傾向を辿っており、労災認定を受けるのが徐々に困難になっている状況が現れている。

 新型コロナの感染拡大という状況下で経済活動に停滞感がある中でも、労災事案、特に精神障害事案は高止まりしている。労働条件、労働環境の改善が強く求められる。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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Twitter:@tohrusuzuki

鷲尾香一の ”WHAT‘S WHAT”

わしおこういち

最終更新:2021/07/02 15:03
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