厚生労働省、2020年の過労死実態を発表 ハラスメントやいじめによる精神障害も
#過労死 #厚生労働省 #新型コロナウイルス #労災
厚生労働省がまとめた2020年度の「過労死等の労災補償状況」によると、過労死等に関する請求件数は19年度より若干減少したものの、新型コロナウイルスの影響で経済活動が縮小したにも関わらず、高止まりしている。さらに、支給決定件数は19年度よりも増加した。
20年度の過労死等に関する労災補償請求件数は、前年度比161件(5.3%)減の2835件だった。このうち支給決定件数は前年度比77件(10.6%)増の802件だった。支給決定件数のうち死亡(自殺未遂を含む)件数は前年度比26件(23.7%)減の148件となった。
脳・心臓疾患関連の労災補償状況は、請求件数が前年度比152件(16.3%)減の784件(うち女性105件)、支給決定件数は同22件(10.2%)減の194件(同14件)となった。このうち死亡者の請求件数は205件(うち女性18件)、支給決定件数は67件(同4件)だった。
業種別では、請求件数で「運輸業、郵便業」158件、「卸売業、小売業」111件、「建設業」108件が100件以上で多く、支給決定件数は「運輸業、郵便業」58件、「卸売業、小売業」38件、「建設業」27件の順となった。
年齢別では、請求件数で「50~59歳」264件、「60歳以上」261件、「40~49歳」204件と40歳以上が圧倒的に多く、「30~39歳」は51件、「20~29歳」は10件、「19歳以下」はゼロだった。
これに伴い、支給決定件数は「50~59歳」65件、「40~49歳」64件、「60歳以上」44件の順となり、「30~39歳」は15件、「20~29歳」は1件だった。
時間外労働時間との関係では、1カ月の時間外労働が「80時間以上100時間未満」が79件(うち死亡28件)でもっとも多く、次いで「100時間以上~120時間未満」が45件(同16件)となった。「160時間以上」も6件(同2件)あった。
就労形態では、正規職員・従業員の支給決定が171件(うち死亡59件)だったのに対して、契約社員を含む非正規雇用では23件(同8件)となっている。
精神障害関連の労災補償状況は、請求件数が前年度比9件(0.44%)減の2051件(うち女性999人)、支給決定件数は同99件(19.4%)増の608件(同256件)だった。このうち自殺(未遂を含む)は請求件数で155件(うち女性20件)、支給決定件数で81件(同4件)だった。
業種別では、請求件数で「医療、福祉」488件、「製造業」326件、「卸売業、小売業」282件の順で、「医療、福祉」の過酷な労働状況が目立つ。支給決定件数では「医療、福祉」148件、「製造業」100件、「運輸業、郵便業」と「卸売業、小売業」63件の順となっている。
年齢別では、請求件数で「40~49歳」597件(うち自殺46件)、「30~39歳」490件(同40件)、「20~29歳」448件(同36件)の順で、脳・心臓疾患関連で多かった「60歳以上」は90件(同5件)と少なく、精神障害関連の場合には59歳以下に集中している。
支給決定件数は「40~49歳」174件(うち自殺25件)、「30~39歳」169件(同18件)、「20~29歳」132件(同13件)の順だった。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事