『家、ついて行ってイイですか?』久々に真骨頂を見た! 酒で滅茶苦茶な夫と、機嫌を損ねる妻の老夫婦
#家、ついて行ってイイですか?
酒好きの夫を呆れながら心配する不機嫌な年上女房
練馬区の銭湯で番組が声を掛けたのは、72歳の男性だった。「家、ついて行ってイイですか?」とスタッフが尋ねると、「いや~、家は汚いよ」「(妻は)怒んないと思うけど、汚いよ」と渋ったものの、最終的に彼は訪問をOKしてくれた。
家に向かう道中、男性はスタッフに半生を打ち明けた。現在の職業はマンションの管理人で、かつては三菱銀行の行員だったこと。そして、銀行は自ら退職したことなどである。
「『酒癖が悪いから社員旅行に参加しないでくれ』って言われたから、カーっとなって辞めちゃったの」
信じられない退職理由だ。一体、どんな酒癖なのか? こういう人について行けば、きっと面白いことになる。『家つい』で味わう久々の感覚だ。こんな出会いを待っていた。
男性の家に到着すると、年齢80歳の年上女房の奥さんが思いっきりしかめっ面なのだ。スタッフの訪問を明らかに歓迎していない。
「バカだね、本当に」
「布団も敷いてあるよ、だって」
「(スタッフに向かって)何をしたいわけ?」
「(ご主人に向かって)考えられないわね、あんたって」
機嫌の悪さを隠さない奥さんに対し、自分の家なのに「座っていいですか?」と許可を取ろうとするご主人。しかし、酒好きと言って憚らない彼だ。酒が入るとエンジンがかかり、次第に本性を表した。ちなみに、このご夫婦は布団を別々の部屋に敷くという。2人は一緒に寝ていない。
奥さん 「一緒になんて寝ないよ! もういいよ」
ご主人 「男はいくつになっても色気はあるだろうけど、女性はないんじゃないかな」
タガが外れ、最低なことを言う夫。スタッフがいるのにウイスキーのウーロン茶割りをグイグイ行っている。隣にいる奥さんは呆れて、諦め顔だ。
「1番安いブラックニッカ。これ、あのね、シングルよりいっぱい入るのよ。ダブルくらいじゃないと効かないのよ」(ご主人)
「効く」「効かない」で判断しているところも最高だ。こんな人だから、酒の失敗は数知れずである。
奥さん 「(外に飲みに行って)私が新しく買ってあげた革のジャンパーを血だらけにして」
ご主人 「背広は切っちゃうわ、メガネは壊すわ」
奥さん 「鼻は折るし、夜中の0時頃に帰ってこないから『おかしい、おかしい』と思ってたら警察の人が来て」
ご主人は今も残る鼻筋の傷跡を見せてくれた。もしかして、酒場でケンカでもしたのか!? ……なんだ、酔って転んでだけか。ちなみに、お2人にお子さんはいないという。
奥さん 「こんな風だから子ども産んだら不幸になってたよ」
――離婚しようと思ったことは?
奥さん 「ありますよ! だけどねえ、ウチのケンカって面白いんだよね。パパーってやるんだけど、いつまでも根に持ってないから」
ところで、今はコロナ禍である。酒好きのご主人にとって、この生活はつらいのではないか?
ご主人 「コロナが来て、(外で飲めないから)何とか金残ってきたな」
奥さん 「残ってきたって何を、大したことない」
ご主人 「いいんだよ」
奥さん 「そうですか、はいはい。(スタッフに)こんな感じよ」
酒が進み、ろれつが回らなくなり、遂には勝手に寝てしまったご主人。そんな体たらくなのに、いつものように「Let it Be」がかぶさると力技でいい話風になるのは不思議だ。
「(夫は)タバコを吸うでしょ? そうすると、すぐ寝ちゃうのよ。私がいるからいいけど(寝タバコが)心配なの。もう80歳になってるからさ、私もそんなにもたないんじゃない? まだ私がいるときはいいけど、先逝っちゃったら、この人……心配してますよ」
「(夫は)もう滅茶苦茶。だけどね、優しいときは優しいですよ。何か買ってきてくれたりね。歳がいっても働いてくれるしね。まあ、今は幸せだなと思う」
最初のご夫婦と最後のご夫婦の落差と言ったら! でも、「幸せ」とつぶやく奥さんの姿が共通していた。男性が女性を好きになってから結婚したご夫婦のほうが、長い間仲が良くて幸せそうだ。子どもがいるかいないかは、あまり関係ない。
ただ、個人的に本命は2組目のご夫婦だった。こういう生活こそが、『家つい』の真骨頂だと思うのだ。奥さんの不穏なオーラと、あけっぴろげなご主人の無防備。久々のワクワク感だった。この手のリアルなVTRをこれからもっと見たい! ……と思っていたら、どうやら次回放送は7月21日を予定しているらしい。なんと、1カ月のお休みである。
7月以降は、街行く人をスタッフ自らが捕まえる、かつての形式のVTRが増えていることを期待したい。
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