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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 世界は映画を見ていれば大体わかる  > 80年代“コカ・コーラVSペプシ”広告戦争
世界は映画を見ていれば大体わかる#12

「ペプシはクール。コークは保守的でダサい!」“コカ・コーラVSペプシ”の広告戦争に追ったドキュメンタリー『COLA WARS』

地上で飽き足らず宇宙でもコーラ戦争は続く…!

 両者は「スペースシャトルに載せる宇宙で初めて飲まれる炭酸飲料」の座でも争い、賢明なNASAは両方を採用。しかし無重力空間ではコーラを冷やせないので「ぬるいコーラはどちらもマズい!」とのオチにどっちらけ。

 宇宙で引き分けた両者は、地上の戦いを続ける。コークは映画に商品を使わせた。『E.T.』や『ブレックファスト・クラブ』などの映画で、コークは日常を表すアイテムとして登場。対するペプシも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に商品を使う。プロダクト・プレイスメントと言われる宣伝手法だ。ちなみにドクターペッパーは、『ゴジラ』の84年リメイク版で、米軍人が飲む公式飲料として登場したが、ヒットはしなかった(笑)。

 絶対的王者としてペプシの挑戦を受け止める側だったコークもついに攻撃を仕掛ける。門外不出と言われたコークの調合を変えたニュー・コークを発表。ところがコーク派の人々は「アメリカの伝統が失われた」と猛反発。抗議団体が結成され街中で道路にニュー・コークが投棄され、ペプシで乾杯する人であふれかえった。そこまでする!? ペプシは「どうしてコークは味を変えちゃったの?がっかり!」と煽る「勝利の味は甘い」キャンペーンを打ちだしてさらに煽る。結局コークは3カ月で元の味のコーラも出すことを決めた。

 一体どうしてここまでコーラ戦争は過熱したのか? ウォール・ストリート・ジャーナルの元コラムニスト、ジョアン・リップマンは語る。

「他に抗議することがなかったからでしょう。だからコーラの味ひとつで憤慨するのです。たかが砂糖水ですよ?」
そんなこというなよ! 全部台無しだよ!

 ちなみに筆者はドクターペッパー派です。

しばりやトーマス(映画ライター)

関西を中心に活動するフリーの映画面白コメンテイター。どうでもいい時事ネタを収集する企画「地下ニュースグランプリ」主催。

Twitter:@sivariyathomas

しばりやとーます

最終更新:2021/06/30 07:00
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