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森田望智vs恒松祐里、女優たちのバトルが熱い! 『全裸監督 シーズン2』いっき観レビュー!

ゴージャスさを極める第5話のストリップシーン

 一方、村西が撮った『SMぽいの好き』が記録的な大ヒットとなった黒木香(森田望智)は、すっかりTVタレントとして売れっ子になっていた。黒木香は村西にもう一度、ありのままの自分を撮ってもらうことを願っていたが、衛星事業に進出するために大金を費やす村西は、黒木を「ダイヤモンド映像」の広告塔としてしか見ないようになる。シーズン1ではAV撮影を通して、相思相愛の関係だった2人。だが、幸せな日々は短く、シーズン2ではすきま風が吹いている。

 村西と黒木の関係がビミョーになっていく中、台頭してくるのが第2話から登場する化粧品会社の元美容員・千葉ミユキ / 乃木真梨子(恒松祐里)だ。新人AV女優のオーディションを受けるミユキは「黒木さんのAVを観て、性の解放に憧れたんです」と黒木を慕う。AV女優らしからぬ清純な雰囲気のミユキだったが、絶妙のタイミングで黒木に代わって村西の信頼を得るようになる。

 シーズン2からの参加となる恒松祐里は、黒沢清監督の『散歩する侵略者』(2017年)や白石和彌監督の『凪待ち』(2019年)などで注目を集めた若手女優だ。現在放送中のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』にも、ヒロインの幼なじみ役でレギュラー出演している。常松演じる乃木は、原作本『全裸監督 村西とおる伝』では「傾城の美女」と謳われたAV女優。武正晴総監督は、舞台女優たちの下克上もの『イヴの総て』(1950年)を恒松に観ておくようにと言ったそうだ。売り出し中の新進女優ながら、恒松は腹を括った女のしたかさを見事に演じ切ってみせている。

 黒木香が憑依したかのような森田望智の迫真の演技と、乃木役に全力で挑んだ恒松祐里の情熱とが火花を散らし、女たちのむき身の闘いがシーズン2の物語を動かす大きな推進力となっている。シーズン1では出番が限られていた柄本時生、冨手麻妙、伊藤沙莉らも好演。彼ら彼女らは、これから活躍の場をますます広げていくに違いない。

 村西率いる「ダイヤモンド映像」の資金繰りが危うくなり、専属女優たちが総出で生ストリップショーを開き、窮地をしのぐことになる。浅草の劇場で繰り広げられる、華やかなステージ。ちなみに、彼女たちにダンス指導する伝説の踊り子に扮しているのは草刈民代。シーズン2は助演陣が尋常ではないほど豪華だ。恒松や冨手らがステージに立つ第5話のこのシーンは、まさに眼福もの。しかし、この華やかなショーの終焉と同時に、日本経済も村西もバブル崩壊後のどん底へと転がり落ちていく。

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