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菅義偉首相、犬猿の仲だった小池百合子東京都知事を取り込み“内閣延命”へ

人間国宝・桂米朝の“シンプルな人生観”とエレキの神様・寺内タケシの死

 同じ特集の中に、落語家の桂米朝(15年没・享年89)の晩年の姿もある。

 米朝の大方針はシンプルそのものだったという。飲みたいものを飲み、食べたいものを食べる、その一言に尽きたそうである。

 生前、米朝は「芸人は酒を飲んでナンボ。日本酒の飲めん人生なんて、死んだほうがマシや」と公言してはばからなかったという。

「そんな米朝さんは、要介護状態になった晩年も大好物の日本酒だけは欠かさなかった。自宅で病に伏せていたとき、家の中を歩くだけでも家族の介助を必要としていたにもかかわらず、深夜にふと目が覚めて台所の一升瓶を取りに行くときは確かな足取りで歩いたというのだ」

 弟子の桂米左がこういう。

「生前の師匠は、『人間、無理をしようとするからおかしなことになる。自然体が一番なんや。結局、落語も人生も人間性が問われるんやで』と何度も口にしていました。いつでも自然体でいようとした師匠だったからこそ、好物を飲み食いしてストレスなく晩年を過ごせた。そしてご家族や弟子に対しても、ちゃんと別れを告げることができたのだろうと思います」

 私は立花にはなれないが、米朝にはなりたいな。

 この特集ではないが、猟銃で自殺した俳優の田宮二郎の一生を追ったグラビアの最後にこの言葉がある。

「四十三才まで生きて、適当に花も咲いて、これ以上の倖せはないと自分で思う」

 私は花は咲かなかったが、「幸せな人生だった」といって死にたいものである。

 ところで、立花の死よりも私にとって切ないのはエレキの神様・寺内タケシの死である。新潮によれば、茨城県土浦市生まれ。父親は実業家で母親は小唄の家元。5歳の頃、兄の大切にしていたクラシックギターに興味を持ち、三味線と同じ弦楽器だからと母親に教えを乞うたという。こういうところがいいね。

 そのうち自分でエレキギターを自作するまでになり、ギタリストの古賀政男に注目される。親に反対されて、港で荷物運びをしながら、米軍基地でバンドをやり、実力を評価されていく。

 62年に寺内タケシとブルージーンズを結成。その後にベンチャーズなどのエレキブームが到来するのだ。カッコよかったな~。弾けたのは加山雄三主演の『エレキの若大将』に出演してから。私は学生時代に5回は見たな。

 67年に「運命」をエレキで演奏した。津軽じょんがら節なんぞは今でもしびれるで!

 全国の高校を訪ねて演奏活動をやったり、ソ連の白血病の少女のために、彼の地で演奏会を実現させたそうだ。昨年の12月にライブをやるはずがコロナで延期になり、今春、誤嚥性肺炎になり回復途上だったが、様態が急変したという。享年82。今夜はあなたの「運命」を聞いて偲びたいと思う。寺内はいつまでもわれわれ世代のヒーローである。

 さて、若返りというのは人類共通の夢だと思うが、新潮は2週続けて、このテーマを特集している。今週はノーベル賞研究から派生した「ウロリチン」という妙薬があるというのだ。

 キーワードは「オートファジー」だそうだ。これは「細胞の中のいろいろなものを回収して分解し、リサイクルする機能、言ってみれば細胞内の新陳代謝機能」(大阪大学吉森保栄誉教授)だそうである。

 分子レベルでオートファジーの仕組みを解明したとしてノーベル生理学・医学賞を受賞したのが大隅良典東京工業大学栄誉教授だ。

 大隅と共同研究していたのが吉森だそうで、その彼が「ある食品成分が入った抗老化サプリをつくったというのだから、「なになに」と覗いて見たくはなる。
 
 着目したのがウロリチンで、これは楊貴妃が食していたことで有名なザクロに多く含まれているという。

 しちめんどくさいことは抜いて、結論は、吉森教授が効果を確認したウロリチンを使ったサプリが、この号が出る直前の6月17日に発売されたというのだ。

 意外といっては失礼だが、60粒入り30日分で6645円というリーズナブルなもの。誌面には商品名が書いてあるが、私は書かない。

 どうしてもこの手のものは何やら臭うので、欲しいと思う方はウロリチンで検索すればいい。男の顔は履歴書。私は今のこの顔と肉体で満足とまではいわないが、いいと思っている。土台が悪いのだから、それを若返らせてもたいしたことにはなるまい。諦念ですな。
 ところで、救いようのない事件というのがある。文春が報じているこの事件も、読み進めるうちに滅入ってくる。

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