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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 力強さを瞳で伝える『シコふんじゃった』の凄み
宮下かな子と観るキネマのスタアたち第15話

本木雅弘が、単位と引き換えに廃部寸前の相撲部で奮闘! コミカルな展開から一点、力強さを瞳で伝える『シコふんじゃった』の凄み

まわしひとつで人生を表現するエンタメの奥深さ

 そんなことがあって、本格的に相撲と向き合う日々が始まった4人。加えて留学生のスマイリーが部員となりますが、お尻を見せたくないと言って常にタイツを履いたまま、稽古時間外は練習しないという契約付き。またまたかなりの癖者が仲間入りし、5名となった部員達は、穴山教授のもと稽古を重ね、いよいよ大会を迎えます。

 其々力がついたのは勿論ですが、5人が強くなったのは、穴山教授の其々の特性を活かした戦い方の戦略と、精神面の成長。失恋の影響で、やけくそで相手に向かっていく春男は一番手で勢いよく。気弱だが体格の良い田中には、目を瞑って相手にぶつかっていくよう指示する等、其々の個性を生かした穴山教授の戦略が勝利へ導き、それが彼らの自信となり更に強化されていきます。

 自分らしい戦い方と自信をつけた部員達の相手を見つめる瞳の強さ。その瞳と真摯な姿に胸がグッと熱くなります。肌と肌がぶつかり合う音、汗で光る肌、土俵の土が付いた身体、臨場感が感じられるカメラワークの工夫。まわし1つで土俵に立ち、肉体をぶつけ合うこの迫力ときたら! 相撲にあまり馴染みのない私ですが、手に汗握ってしまうほどの熱量と緊張感で思わず息を止めて魅入ってしまいました。

 力技だけではなく、しっかりミラクルが描かれているのもエンターテイメントならではの良さ。

 本番になると下痢になってしまい、立ち合いの格好にさえまともに出来なかった青木も奇跡的な勝利を遂げるのですが、一体何が起こったのか……これは是非とも皆さんに観て頂きたいので秘密にしておきます。さすがユーモアセンス抜群の竹中直人さん、私はドツボにハマり、何度か巻き戻してお腹を抱えて笑いました。

 力や技術だけではなく、自分らしさを出すこと、そして自分に自信を持つことの重要性は、相撲やスポーツに限ったことではないと思います。短所は長所にもなるし、ピンチはチャンスにもなる。人生何が起きるか分からないから楽しいんだ! という大きなテーマを、この学生相撲という舞台を通し教えてくれました。まわし1つの彼らが、きっと皆さんの背中を押してくれます! 落ち込んでいる時こそ観て頂きたい最高のエンターテイメント作品です。皆さんも是非に。 

宮下かな子(俳優)

1995年7月14日、福島県生まれ。舞台『転校生』オーディションで抜擢され、その後も映画『ブレイブ -群青戦記-』(東宝)やドラマ『最愛』(TBS)、日本民放連盟賞ドラマ『チャンネルはそのまま!』(HTB)などに出演。現在「SOMPOケア」、「ソニー銀行」、「雪印メグミルク プルーンFe」、「コーエーテクモゲームス 三國志 覇道 」のCMに出演中。趣味は読書、イラストを描くこと。Twitter〈@miyashitakanako〉Instagram〈miya_kanako〉

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【アミューズWEBサイト公式プロフィール】

みやしたかなこ

最終更新:2023/02/22 11:37
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