庄村聡泰、イカのモニュメント”で揺れる能登町の新名物を実食! 「文脈としては成立している、が…」
#地方創生 #能登町 #ショウムライター
「わかりやすさ」と「伝える努力」
――「味付き船凍イカ丼」は能登町小木港で水揚げされた船凍(せんとう)イカをごま油や塩麹などで味を整え、コクを増すためにイクラを少し加えたものだそうです。「塩辛よりもあっさりとしていて、胡麻の風味が食欲をそそる味付け」だとか。解凍した「イカ丼」をあたたかいご飯に載せて召し上がっていただきます。
サトヤス 冷凍といえどもイカの柔らかさと旨味はしっかり残っていますし、鼻を刺激するような塩辛さもなく見た目よりもフラットな味付けで上品な味わいですね。ご飯の上に載せて卵を載せてというのが推奨なんでしょうが、アレンジのしがいは結構ありそうです。クリームチーズを塗ったバゲットの上に一つまみ載せるとか、ごはんよりも酒の肴として活躍しそう。
――おお、高評価ですね!
サトヤス いや……もちろん、おいしいです。おいしいんですけど、忌憚のない意見としては、ご飯の上に載せるイカ丼として食べるのなら若干“弱い”かなと思います。ごはんとあっていないわけではないんですが”イカ丼”、つまり丼として見るならばちょっとフラットすぎる気がしますね。イージーでコンビニエンスでジャンクな食い物である丼としては、味が弱いんです。最近のコンビニ飯とかチェーン飯とか、そう言う意味では凄いじゃないですか? どこもカロリーマックスとか、メガとか、ペヤングなんかはペタとか出してますし。それが話題になったりもしてて。これが例えば旅館の朝食に出てくる小鉢にあったら、素晴らしいとは思うんですけどね。
――なるほど……。たしかに「丼」としては、ガッツリ食べられない感じですね。
サトヤス 「たられば」になっちゃうんですけど、“あの”3000万円の”イカ像”を入口にするのであれば――の先にあるのは、もっとバカな味付けでもよかったんじゃないかって思いますよね。
せめて、もっと色んなアレンジレシピを提案するとか。それで食事系のYouTuberとかWEBメディアとかに”イカ丼”をバラまいてコンテンツ作ってもらって“イカ丼”と”イカ像”共々のPRを仕掛けても良いと思うんですよ。言い方がキツいかもしれませんが、味としての「わかりやすさ」と、味を「伝える努力」が足りていない気がしますね。
――これも「たられば」ですけど、能登町が“イカ像”建立前からイカ推しの町だと全国に周知されていたら批判的な声がでたときも、もうひと盛り上がりあったかもしれませんね。
サトヤス ちょっともったいないですよね。調べてみたらきちんとバックボーンの文脈があるのに、その3000万円の“横の動きだったり下の動きだったり”をどれだけ整備しているのかは、気になりますよね。「だけでしたー!」では済まされないというか。作っちまったもんの責任もあるわけですから。
――今後、どうなっていくか期待しつつ、次回があれば能登町のイカの新製品も楽しみたいところです。
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