「五輪中止の方が儲かる」話のカラクリとローカル局の意外な本音
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東京五輪開催まで間もなく1か月となるが、いまだにやきもきしているのはテレビ局関係者だろう。国際オリンピック委員会(IOC)や日本政府が強行開催に向けて着実に準備を進めている中でどんな形で実施できるかが、いまだにはっきりとわかっていないからだ。
7月23日に開会式を迎える東京五輪は8月9日の閉会式まで約3週間、連日のように競技を行う。
「当然、テレビ中継はNHK、民放テレビ局両方が行います。中継放映権と中継制作自体は両者が相乗りしているJC(ジャパンコンソーシアム)で行い、中継番組やハイライト番組は各局で制作する形になります。今回はどの局も損をしないよう、特に民放テレビ局は五輪中継担当制を敷く形を取って食い合いにならないようにします」(民放テレビ局関係者)
約3週間、レギュラー番組が編成させることは少なくなり、その分、五輪中継や関連番組が大幅に増えるのは予想できる。但し、問題点もある。通常の番組のように好き勝手にCMスポンサーを探して放映することが一切できないのだ。
「五輪中継番組については基本、IOCや日本オリンピック委員会(JOC)のスポンサー企業のCMしか流すことはできません。ばく大なスポンサー費用を払う代わりに、中継でも独占的にCMを流すことができるからです。平時なら金額も高く、儲かるのでいいのですが今回は内々に減額の相談もあったと聞いています。となると、放映権料を差し引けば2016年のリオ五輪以上に赤字額が増えてしまう可能性があります」(同)
さらに頭を抱えているのは地方のローカル局だ。
「近年は在京キー局の“パワー”も落ちてしまい、ゴールデンタイムでもローカルセールス枠がかなり増えています。地方局はそこでがんばればある程度、収益化への仕組みができているのですが五輪期間中は一切できません。なのに、在京キー局からのCM分配料が下がるのではという話で最近は持ちきりです。得られるお金が減ってしまうのならいっそうのこと、五輪も中止にした方が儲かるローカル局は実は多いと思いますよ」(同)
思い起こせば、以前の五輪大会では半年以上前から各テレビ局はメインキャスター、サブMC、ゲストなどを次々と発表してお祭り騒ぎをしていたのだが、いまだにそうした情報が大きく発表されていない。こんな状況で実際に五輪が開かれても盛り上がるのだろうか。
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