もう中学生「一生会えない」 トラウマになっていたあの大御所と10年ぶりの共演で心をさらけ出す
#明石家さんま #さんまのお笑い向上委員会 #もう中学生
芸能界には共演NGの噂話が多いが、その信憑性については確認しようがない。例えば、ビートたけしとデーブ・スペクターが、有吉弘行とゴリ(ガレッジセール)が共演NGと言われている。しかし、そんな関係性と囁かれた2人が数年後にはしれっと共演するケースも少なくないわけで。世に飛び交う芸能情報は、まるで蜃気楼のようだ。
6月19日放送『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)に、もう中学生がゲスト出演した。前列中央に座るもう中の前を通り過ぎようとして「うわっ!」とのけぞる明石家さんま。
さんま 「出ちゃったよ」
もう中 「出ちゃいました」
実は、もう中にとって今回は10年4カ月ぶりのさんまとの共演になる。
もう中 「まだあの頃は、カーナビがたまに道を間違えちゃう頃でした」
さんま 「今いくつになってん、中学生?」
もう中 「今、愛し愛され、ふりふられ、29の9個上の38に。兄の2個下でございます」
さんま 「そんなんいらんわ、お前! 兄貴いくつでもええねん。兄貴40って覚えてしもうたやないかい!」
大御所を前に序盤からフルスロットルのもう中。そして、そんな彼に少し違和感のある「中学生」という呼び方で話しかけるさんま。スイングしたトークが展開されたかのように見えるが、実際にスイングしていたのだ。
この番組の出演に際し、もう中の内には期するものがあった。彼がパーソナリティを務める『芸人お試しラジオ デドコロ』第3回でのオープニングトークは、以下のような内容である。
「つい先週、なんと10年4カ月ぶりにある先輩にお会いしまして。10年4カ月前は物すごいいっぱい会ってたんです、その方と。収録とかで物すごいいっぱい会ってたのに、突然、『もう、しんどいわ……』って言われて(笑)。本当に収録中にそう言われて、収録終わった後に挨拶に行っても『ほんま、お前しんどいねん……』って言われて(笑)。それを周りのスタッフさんたちも聞いてて『あ、もしかしてこれから会えなくなるのかな』と思ったら、本当にそこから会うことがなくて。僕、その人の番組も見れなくなるくらいその出来事がトラウマになっちゃって、『もう、一生会えないな』ってテレビ番組もなかなか見れなくて。それが、10年4カ月ぶりにその方の番組の収録が入って。収録始まる前も変な汗をダラダラかいて。いざ始まって、僕の前にいきなり来て『うわっ! 来ちゃったの?』って仰ってくれて、10年4カ月ぶりでいきなりハートの扉をパカッと開けてくださって。だから、僕も『あのときの感じで接していいんだ』と思って、そこからはもう普通にお話していくんです」
キャラという鎧をまといながら、かなり心をさらけ出していたと思う。少し、感極まっていた気もする。もう中の言う「その方」が誰を指すのかは、言うまでもないだろう。
さんまとの共演を夢見ながら、心が折れかけていた10年4カ月
10年4カ月の間、関係が全く途絶えていたわけではない。さんまがMCを務めた特番『明石家さんまの熱中少年グランプリ2019』(TBS系)のために、もう中はイラストを制作。少年になったさんまが鯉のぼりに乗る……という姿を描いた絵は番組内でも紹介された。このとき、もう中はこんなコメントを残している。
「本当に大光栄です!! つむじも右巻きなんですけど左巻きになっちゃうくらいのうれしさです。明石家さんまさんといつかまたご一緒させていただきたいとずっと思っていたので、夢が叶った気持ちです……」
いや、実際には“ご一緒”していない。だから、夢はまだ叶っていない。それどころか、夢は遠のいた。彼には帰郷を考える時期があったのだ。しかし、2021年に大復活。その契機について、もう中は『向上委員会』でこう語っている。
「実家に帰って、リモートであったりとか通いで(仕事をしようかと思った)。で、お家も全部片付けて。そうしたら、フ~っといい風が家の中に充満して、それでお仕事をありがたいことに(いただけるようになって)」
彼が再ブレイクの糸口を掴んだと言われる『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系)出演は、昨年の8月2日。ということは、つい最近までギリギリの心理状態だった。昨年7月15日放送『水曜日のダウンタウン』(TBS系)にて、無観客生配信ライブ(2020年3月開催)で次第に心が折れていくもう中の様子を麒麟の川島明が紹介したが、あのとき、彼は本当に瀬戸際だったのかもしれない。しかし、“謎の風水効果”による追い風を受け、もう中は夢を叶えることができた。
もう中学生と『お笑い向上委員会』は意外にも好相性
もう中学生は、ラジオ番組の収録にまで段ボールパネルを持ち込む“準備芸人”として有名だ。もちろん、『向上委員会』にもたくさんの小道具を用意して臨んでいる。最初に目についたのはゴールドに光る大型の自作やかんだった。もう中が座る席の横に、不自然な存在感を放ったまま置いてあるのだから。
さんま 「そのゴールド(のやかん)が凄い気になるわ(笑)」
もう中 「お湯あるよ~」
さんま 「焼きそば食べたいな~」
もう中 「それっ!(さんまが持つ焼きそばのカップにやかんでお湯を注いであげる)」
さんま 「お湯、流さなきゃね」
もう中 「でも、シンク気を付けてください(と言いながら、自分がシンクになる)」
さんま 「あいよ!(シンクになったもう中に焼きそばのお湯を捨てる)」
もう中 「ベゴン!(シンクの凹み音)」
たくさんの武器を手に収録にやって来ていたもう中。シンクの“ベゴン!”をしたいがために、わざわざ大きなやかんを製作していたのだ。このときのやり取りについて、やはりラジオでもう中は胸中を語っている。
「徐々に徐々に、『あのとき、こんな話してたよな』『こんな感じでやり取りしてましたよね』みたいな感じでお互いがドンドン盛り上がって、最終的には2人で焼きそばのお湯を捨てるみたいなことをやって(笑)。なんでそんなことになったのかは覚えてないんだけど、僕がシンクをやってその方が焼きそばのお湯を捨てるみたいな(笑)。ワケわかんなすぎてそこは放送されないと思うんだけど、ものの10分くらいでお互いが『あのとき、こうだったですよねえ』『こうだったよなあ』という感じになって(笑)」
確かにワケわかんなすぎたが、このくだりはバッチリとオンエアにされた。意外にも『有吉の壁』(日本テレビ系)と同じくらい、『向上委員会』ももう中を自由にさせてくれるらしい。ゲストのおいでやすこが・こがけんに対し「格好悪くふられる前の大江千里」「『冬のファンタジー』歌ってたカズンの男性のほうに似てる」とJ-POPになぞらえた少し古めの見立てで喩える場面は、らしさ爆発だ。
もう中にとって、『向上委員会』は意外にも好相性で居心地の良い場所だった。視聴者からしても、「ガッツだぜ!!」以来のあっちゅー間の30分だった。だから、まだ夢の続きである。
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